2022.3.4
2位の渡邉彩香 うっかりミスを笑い飛ばす
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
第35回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント 琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)第2日
穏やかな表情が精神面の充実を物語る。渡邉彩香は、突然のアクシデントにも動揺することはなかった。
実は…と切り出したのは、自身のうっかりミス。ただし、プロゴルファーの生命線ともいえそうな、大事なアイテムがないことに気づいたのはスタートホールのティーイングエリアだった。
「(スタートの)10番で気がついた。バッグを探してもコースメモがない。置いてきたのかなぁ。それとも落としたのか。以前なら、かなりあせったでしょう。でも、キャディーさんがもっているものを借りました」と、事なきを得たが、こんな言葉を加えている。「いつもあるものがない。今までなら、ルーティンが狂って、思うようにいかないとイヤな感じになったけど、バタバタすることがなかった。それどころか、集中していましたよ。すごく成長しているなぁ。きょう、一番良かったのはそのことです」。
前日、プロ10年目で会得した、小さくてもよくやった-を探す思考の転換法を明かしたが、その顕著な出来事を解説しながら、説明を加えている。この日も抜群の安定感で、3バーディー、1ボギーの70をマーク。首位から1打差の通算7アンダーとスコアを伸ばした。
「きのうと変わらず、いいリズムを保って、いいラウンドだったと思います。ボギーがひとつあったけど、グリーンまわりのアプローチがとてもいい感じでした。そういうことだけを考えている」と話した。
18番は第2打をミスしながら、グリーン周囲のラフからパターを使うという従来にはなかった技を披露。「挑戦しました。おそらく、今までならウェッジを選んでいたでしょう。でも、ライが良かったからパターを使ってみた。ミスをしたところでパーを拾えたことが大きい」と笑顔を浮かべた。
思考ひとつで一変。素晴らしい可能性を見出した。そんな柔軟なスタイルが頼もしい。あわてず騒がずで、いざ、決勝ラウンドへ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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