2022.3.13
12年目でつかんだ初V サイペイイン大逆転
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第2戦『明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会最終日が3月13日、高知県・土佐カントリークラブ(6,228Yards/Par72)で行われ、サイペイインが通算13アンダーのトーナメントレコードで逆転優勝。JLPGAツアー初優勝を飾った。1打差の2位タイは石井理緒、堀琴音、西郷真央、植竹希望。稲見萌寧は通算4アンダー、32位タイだった。
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《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:25mm》
干支がひとまわりした、来日12年目の春。それも、サイさんとも読める-3月13日にサイペイインがJLPGAツアー初優勝を飾った。7バーディー、ノーボギーの65。4打差を逆転する圧巻の内容である。
「不思議というか、ようやく、私の番が巡ってきたのかと思いました」。最終組の2組前でプレーをしている。ホールアウト後は、「そんなに簡単には勝てるものではない。また、一生懸命にプレーする他の選手のミスを考えたくありません」と、プレーオフへ備えていた。いかにも、やさしい人柄をあらわすようなエピソード。優勝を聞かされると、「本当ですか」のひとことが先に出た。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
スーパープレーの連続。前半、3バーディーで上昇ムードへ転じた。ハイライトは13番からの3連続バーディーだろう。137ヤードの第2打を8Iで、80センチにつけるコントロールショット。精度が持ち味だ。続く、パー3の14番は11メートルのロングパットが決まる。極め付きは15番だろう。2オンに成功して、2パットで楽々とバーディーである。
そして、17番。2.5メートルのバーディーを沈め、1打のアドバンテージを得た。「実は、それほど調子が良くはなかった…」と告白する。というのは、「去年の12月、台湾へ帰国。調整しながら、1月の試合で勝つことができた。そこまでは良かったけど、来日してから、隔離などがあって、調整が狂ってしまった」と話す。
続けて、「前週の開幕戦は予選落ち。すべての調子がいまひとつです。今回は練習ラウンドの36ホールを、基本の基本というか、アドレス、グリップからやり直し。使用するパターもいろいろと試しながら、ようやく決めた-そんな状況です」。
しかし、プロのテクニックは正しい基本の上に輝くものだ。勝負では、好調のかげに不調がある、といわれる。もちろん、その逆もあった。今大会、わずか2つのボギーに抑えた。勝利を引き寄せた要因のひとつだろう。
指導を受ける島袋美幸、キャディーとして帯同する河野清子からは、以前から、「ボギーを叩いた原因を追究して、その日のうちに解消しなさい」と、繰り返しいわれたそうだ。まさに金言。
4月には31歳を迎えるが、「最近、若い選手がすごく上手です。ただ、勢いが続くのは2-3年。私はゴルフを長く続けたい。そのためには、たくさんの経験から学ぶことが必要です。だから、ちょっとずつ上がっていく方がいい」と、言葉を選びながら答えた。いつも笑顔-がトレードマーク。
12年分の感謝を込めた表彰式。精進を重ねるゴルフ人生も素晴らしい。
(オフィシャルライター・宮脇 廣久)
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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