2022.4.2
13メートルのミラクル 西郷真央にギャラリーが大興奮
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第5戦『ヤマハレディースオープン葛城』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第3日が4月2日、静岡県・葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(6,590Yards/Par72)で行われ、西郷真央が通算12アンダーで首位をキープした。ムービングデーのこの日、4バーディー、ノーボギーの見事な内容で、2位、通算7アンダーのペソンウへ5打差。自身初の2週連続V、完全Vに独走態勢を構築した。通算6アンダー、3位タイは青木瀬令奈、フォン・スーミン、菅沼菜々。
(天候:晴れ時々曇り 気温:13.1℃ 風速:4.0m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:23mm》
座右の銘はFlow do it。西郷真央は、「ご機嫌な気分でやるべきことをする」と説明した。勝負を左右するムービングデー。気負いや慢心など無縁だった。ただ、ひとりのノーボギーのラウンドに、ギャラリーの多くも納得の様子だ。
どよめきが起こったのは、9番。118ヤードの第2打はパーオンしたものの、カップからの距離が13メートルあった。ところが、フォローの風と声援に後押しされ、最後のひと転がりでバーディーを決める。
「運が良くて、入った距離。調子に乗ってはいけない-と言い聞かせたけど、ファンの皆さんの歓声。すごく気持ちが良かったです。気分が少し楽に」と話した。そのシーンを振り返り、思わず笑顔が浮かぶ。運も味方しなければ、名うての難コースを攻略は至難の業だろう。
それ以前の、5番・パー5では、こんなことが。2オンを狙ったボールが、グリーンから転がり落ちて、あわや池へ飛び込むピンチ。だが、橋に当たり手前に戻った。「前日と同じ番手で打ちました。でも、フォローの風が突然…。キャリーで15ヤード以上、流された。マネジメントを反省して、次のショットに集中した」という。残り20ヤードの第3打は58度で、3.5メートルに寄せ、バーディー奪取。
ちなみに、自身がキーホールとして説明したのは10番だ。第2打をダフって、40ヤードのアプローチを2メートルに寄せた。「簡単なパッティングではなかったです。それでも、カップの真ん中から決めて、パーセーブできたことは大きい」と説明する。恒例となってきた、自身が語る日替わりの良かった-は、パッティング。
「特別なことはしていない。毎日、ラウンドが終わった後、ボールの転がりを確認。翌日のために、しっかり整えています」と加えた。とにかく、スキをつくらない。この日は、「リーダーボードをしっかり見ながらプレーする」と明かした。ただし、戦況チェックではないそうだ。
「前の組がスコアを伸ばしていたら…。バーディーをとっていなかったら…。ピンポジションなどを予想して、コースマネジメントにつなげる。そのための確認です」と理由を語った。
さて、最終日である。2週連続、通算3勝目、はたまた完全優勝などへ向け、5打差のアドバンテージを握ったが、「比較をすることが好きではありません。あすを迎え、気を引き締めて18ホールへ臨みます。優勝したから何かを変えたわけではありません。これまで以上、全力でプレーすることを忘れずに」。ライバルは、もうひとりの西郷真央なのかもしれない。
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