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2022.4.3

Day 4~プラスワン 優勝副賞

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ヤマハレディースオープン葛城 葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)最終日

 優勝は記録へ。そして、激闘、奮闘を経て贈られた優勝副賞は、人生の思い出を運んでくる。今大会、主催のヤマハ(株)、ヤマハ発動機(株)からグランドピアノ、水上オートバイなど、世界中のツアーでも類をみない豪華賞品の数々が-。

 「例年なら、ピアノとプレジャーボート。でも、今年はボートではなく、水上オートバイです。ぜひ、その魅力を実際に使って楽しんでほしい。ヨーロッパではマリンスポーツを5人に1人-といった割合で楽しんでいる。日本で、もっと愛好者が増えてくだされば、という願いを込めまして…」(大会運営委員・忠地哲也さん)と非日常、芝の上ではなく、水上で夢のような体験を可能にしてくれるアイテムだ。

 ピアノは選手が行う、社会貢献に一役買っている。「2008年の山口裕子さんは、ねむの木学園。15年の渡邉彩香さん、21年の稲見萌寧さんが学校へ。19年の成田美寿々さんは宝塚歌劇団の東京劇場。18年のアンソンジュさんは東日本大震災で被災した南相馬市文化会館へ寄贈されました。お役に立って何よりです」(大会運営委員・石岡千秋さん)。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 一方で、こんな後日譚がある。「09年、黄アルムは、ぜひピアニストの妹さんへ、ということでした。それで韓国へお届けしています。また、10年の古閑美保さんはピアノとボートの両方をご自分で-と、うれしいお申し出をいただいた」(同)と話していた。

 1985-92年まで開催した、ヤマハカップレディスオープン89年の優勝選手・森口祐子がテレビ解説を担当。懐かしむように、興味深いエピソードを振り返っている。

 「副賞でいただいたピアノ。大事に使っています。今、孫がくるとうれしそうに弾いてくれますよ。それから、布団もいただいたなぁ。ボートもあった。主人が乗る、と言い出し、船舶免許の取得講習へ通ったけど、最後の最後で急用ができて…。そこで、お役に立てればと思って、浜松にある小型船舶免許の教習所へ寄付しました」

 JLPGAツアー41勝、永久シード取得者のひとりだ。副賞を贈られることが多かった。人生へ多くの彩を加え、知られざる物語ができあがる。そして、ちょっとてれくさそうに、83年三菱ファンタスレディスへ話題が移った。

 「スポンサーさんから、家電用品一式をプレゼントしていただいた。師匠(井上清次氏)が、いずれ女性は結婚する。その時に役立てればいい、と祝ってくださった。まったく手つかずのまま、所属の岐阜関カントリー倶楽部の倉庫を提供してくれて」。翌84年に結婚すると、「そっくり、花嫁道具として持参した」そうだ。

 もうひとつ、副賞で忘れられないこと-といえば94年エス・シー・レディス。通算41勝目は、橋本愛子とのプレーオフに持ち込んだ逆転Vだった。「副賞が当時は珍しかった4輪駆動車。主人はカーマニアで、しきりに欲しいなぁ、と漏らしていた。もう、プレーオフでは車、車…と心の中でつぶやきながら必死だったなぁ」。

 副賞が『ニンジン』の役目を果たし、プラスアルファを引き出したという。JLPGAツアーは夢を現実に運んでくる。スポンサーの協力はかけがえのないパワーとなって、選手をサポートしていた。

 今回、豪華な副賞をプレゼントされた西郷真央は、どんなストーリーを紡ぐのだろうか。

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