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2022.4.16

西村優菜 忍耐の2時間42分から一変

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第7戦『KKT杯バンテリンレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)大会第2日が4月16日、熊本県・熊本空港カントリークラブ(6499ヤード/パー72)で行われた。ムービンデーのこの日、好調をアピールしたのは西村優菜。69をマークし、通算8アンダーで首位に立った。1打差の通算7アンダー、2位は植竹希望。通算5アンダーの3位タイは渡邉彩香、小倉彩愛、イミニョン、鈴木愛がつけている。2週連続優勝を狙う、地元熊本出身の上田桃子は1アンダー、22位タイへ後退した。
(天候:晴れ 気温:16.2℃ 風速:5.2m/s)
《グリーン=スティンプ:10フィート コンパクション:22.5mm》

 良い流れは、きっと来る。西村優菜はその時を待った。パー5の11番、残り100ヤードの第3打をピン横3メートルへ。この日、初めてのバーディー奪取に笑顔が飛び出す。前半の9ホール、2時間42分はひたすら忍耐。

 「苦しい時間が本当に長かったです」という。2番で今大会初のボギーを叩く。パーオンして、10メートルからショート。3パットだった。「バーディーがなかなかこない。でも、60台のスコアが目標でしたから、ひたすら、ひたすら耐えていました」と振り返る。

 ピンチをしのぐと、思わずため息が出た。きっとイライラしたに違いない。ところが、そんなことは外見からまったくうかがえなかった。ポーカーフェイスというよりも、普段通りでいられることが、簡単には崩れない精神の強さにつながる。

 とはいうものの、「うまくいかないから、3回ぐらいため息をついた」。呼吸が浅くなれば、脳へ酸素が送れなくなる。つまり、思考力が鈍ってミスへつながる。息を吐きだせなければ、すうことができない。

 よく、ため息は幸運が逃げる、ともいわれるものの、この人の場合は深呼吸のようなものなのだ。「イヤなものを吐き出す。そうすることによって、さあ、次は頑張ろう-と思う。うまくいかないときは、他にもキャディーさんと、たわいもないことを話す。それが、後半につながったのでしょう」と説明した。

 インターバルをはさんで、後半は1ホール毎にチャンスが到来。11番の後は、13番で2メートルのバーディーを沈め、15番は、グリーン奥のラフからパターで7ヤードをチップインで決めた。そして、17番は左奥から6メートルのバーディー。ボールの転がりが前半とは一変していた。後半の所要時間は、2時間38分。やはり、良い流れが来た。

 最終日は、首位でスタート。「優勝したいです」と表情が輝き、「でも、あしたは、もっと苦しい時間が多いでしょうね」と、自身へ言い聞かせるように言葉を絞り出す。いい仕事をすることは、苦悩と鍛錬の賜物。今季初優勝を目指し、しっかりと準備が整った。

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