2022.5.15
最終日に一気 高橋彩華がゲキ変
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ほけんの窓口レディース 福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)最終日
敗れても、清々しい。高橋彩華はプレーオフ2ホール目のバーディートライは8メートル。直前に、渡邉彩香が15メートルを決めている。カップインさせるしかない。「ここで負けてたまるか」と、気合を入れ直した。狙いは正確だったが、ボールは惜しくもカップの右を通過。「渡邉さんがあのパッティングをしたのですから、仕方がありません。あっぱれです」と祝福した。
この日、3打差の5位タイから驚異の追い上げを展開する。17番、4メートルのバーディーパットを決め、右手をぐっと握った。さらに、1打差で迎えた最終18番も、6メートルのバーディーで締める。ついに、並んだ。「勝負がかかって、入れなければいけないパットがしっかり決まった。最後は残念でしたけど、これほど自信を得た1日はなかったかもしれない」と振り返る。
4月のフジサンケイレディスで、念願のJLPGAツアー初優勝を飾った。実に10度目の最終日、最終組だ。それ以前、最終日と言えば逆転され、涙を飲むことばかり。優勝を期に大きく変わったといっていい。「私は、追う展開になってもいける」。不安を抱えたパッティングも、気持ちの持ちようで大きく変化することを体得している。
それにしても、残念だったのはPO1ホール目のバーディーパットだろう。6メートルのチャレンジだったが、両手を広げて悔しがったシーンが目に焼き付いた。「あと1ミリ左なら、カップに引っかかり、コロンと入ったかも…」。確かに紙一重とはいえないものの、勝負は1ミリが左右する。
通算2勝目は逃したが、メルセデス・ランキング2位へ浮上した。初V後に立てた「JLPGAツアー女王」の目標へ前進する。結果は2位でも、シルバーコレクターのイメージは完全払拭。最終日に強い選手は、すぐにリベンジのチャンスが訪れる。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
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