2022.5.19
自己採点10点 渋野日向子『納得できるまで練習』
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ブリヂストンレディスオープン 袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)第1日
今季、国内初戦。渋野日向子が、JLPGAツアーへ179日ぶりの登場である。コロナ禍で1日あたり、ギャラリーの入場制限はあるが約500人が各ホールで一挙手一投足を追った。結果は2オーバー、74と実力を発揮できず、自己採点はわずかに「10点ぐらいかなぁ」。ちょっと、こまった表情を浮かべながら振り返る。
調子が悪かったわけではない。全米女子オープンを前にした大事な調整の時だ。ところが、-。予期せぬことが起こった。「あれだけ多くのギャラリーの前でプレーする。久しぶりでした。本当に緊張して…。スタートホールへ向かう時も、大きな拍手で迎えてくださった。本当にうれしかったです」という。
続けて、「プレッシャーは特に感じていなかったけど、ちょっと緊張した。アメリカでもギャラリーの前でプレーはするけど、これほどは入らないでしょう」とひと息ついて、「応援を力にできずに残念な結果でした」と第1日を総括する。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
コース攻略方法はしっかり練っていた。それもシンプルに。「もし、ミスをしても手前のピン位置だったら、手前へ。奥のピンだったら、その奥へは行かないようにする。わかっていても、ミスをしてしまう。それがボギーにつながった」と話した。しかし、「どうしても、チャンスにつけたい。コースマネジメントに徹するつもりでも、欲に負けた。内容は最低だったかもしれない」と悔やんでいる。
ただし、感情を押し殺し、ロボットのようにひたすらマネジメント通りにプレーしていれば、素晴らしいスコアをマークできたのだろうか。実はそうともいえない。「気持ちとゴルフが平行のままというか、向き合っていない」と葛藤を言葉にした。
とはいえ、この日の2バーディーはともにバウンスバック。ボギーを抑えれば、きっと上昇のきっかけはみつかる。幸い、「パッティングに関しては最近でいうと、いつになくがんばったほうです。ミスヒットが少なかった。ラインの読みとタッチの問題で、悪い感じではありません」と説明。
さて、どうしたらいいのだろう。悩めるシンデレラは単純明快に語った。「納得できるまで練習ですね」。応援をパワーに変える、魔法のようなプレーはこれまで、逆境から生まれた。己に厳しくあるために、あえて「10点」の評価にとどめたに違いない。
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