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2022.6.30

猛暑を克服した猛女 43歳、李知姫が首位

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第18戦『資生堂 レディスオープン』(賞金総額1億2000万円、優勝賞金2160万円)が6月30日、神奈川県横浜市・戸塚カントリー倶楽部(6570ヤード/パー72)で開幕した。猛暑の決戦。大会第1日から大混戦が展開された。首位は7アンダーのベテラン、李知姫。1打差の6アンダー、2位タイにサイペイイン、ペソンウがつけた。5アンダー、4位タイで吉田優利、稲見萌寧など5人がつけている。前週初Vの木村彩子は4アンダー、9位タイ。連覇を狙う鈴木愛は3アンダー、19位タイから浮上を狙う。
(天候:晴れ 気温:33.9℃ 風速:3.1m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/4フィート コンパクション:23mm》

 猛暑である。条件は同じだ。技術以上に気力と体力が試される。今大会、最年長のベテラン、李知姫が久々に存在感を示した。パー3の5番で披露した、20メートルのバーディー奪取。13番でも12メートルを決めている。過酷な環境で、誰もが音を上げそうな18ホールだった。それだけに、7バーディー、ノーボギーのラウンドは脱帽である。65はトーナメントコースレコードタイ。

 「ショットは、いまひとつ…。パッティングの感覚がすごくいい」と手応えを感じる。精神力、集中力の賜物。今季は調整不足でスタートが遅れた。とはいえ、10戦で8回の予選落ちは、実績を考えてもちょっと信じられない。

 「技術面で、ショットの調子を取り戻すことも大事でしょう」とひと息入れて、深い苦悩を明かした。「何より先に、メンタルを立て直さなければ-と考えた。うまくいかず、怒りや落ち込みのストレスが抑えられなくなっていましたからね」。ひと月前から精神統一を毎朝、行うようにした。

 「動画投稿サイトで瞑想に興味を持った。毎朝5分ほどですけど、椅子に座ってジッと目を閉じる。何も考えず、静かな音楽に耳を傾けている」と説明する。ただでさえ、女子選手の朝は忙しい。わずかな時間でも気持ちをリセットすることで、「集中力が増したような気がします」と手応えがあった。

 「ボールの横回転が減り、転がりがきれい。穏やかになれば、パッティングのラインまで違って見えてくる。たとえば、フックラインだと思っていても、本当はストレートだとか…。きょうもハッと感じた気づきが結構、あった」そうだ。心の目まで開いたということだろう。

 プロ23年目で、通算23勝をあげている。今大会を含め561試合へ出場。総額12億円を突破した。生涯獲得賞金ランキングでは現在3位だ。首位の不動裕理とは差があるものの、2位の全美貞との差は約300万円へ迫っている。

 「以前、(JLPGAツアー通算30勝が条件の)永久シードをモチベーションにしてきた。ちょっと無理かなぁ、と思い始めたところでしたけど、もう1度チャレンジします」。あと7勝へ向け、再出発の心構えが整う。プロにとって、バーディーが特効薬-という意味が改めてわかった。これぞ、不惑の心意気だろう。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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