2022.7.1
Day 2~プラスワン 川岸史果
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
資生堂 レディスオープン 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)第2日
勢いがある。何より、いい笑顔をつくった。表情が好調の証明だ。今大会はいわば、地元開催。ホールアウト後の練習を軽く済ませると、お先に-とばかりに帰途へついた。自宅通勤で、「帰ったらゆっくりしながら、ネット配信の中継を見ます」と、また、ほほ笑んだ。
17年、プロ2年目でJLPGAツアー初優勝を飾り、賞金ランキング7位へ躍進。アマチュア時代から川岸良兼の娘とスポットライトを浴び、華やかな将来が約束されたかのようだった。
ところが18年、突然のように1Wの不調に見舞われる。もがいても、もがいても光明が見いだせない。「1Wの打球がすごく曲がる。どんなに練習をしてもダメ。いつか、ギャラリーのどなたかにボールを当ててしまうのでは…。コースと戦うのではなく、恐怖にあえいで本当にきつい。でも、試合はある。本当にコースへ行くのがつらかった」という。
どん底から這い上がるのは、2度目だった。最終プロテスト突破まで4回。「1回目はショートパットの不調に陥り、2回目と3回目が1Wの不調です。同級生の鈴木愛さん、藤田光里さん、松森彩夏さんがツアーで優勝し、大活躍していた時、私は台湾ツアーのQTを受験。日本では試合へ出場する権利がなかったから…」と話した。
そして、今回も4年近い歳月を経て、JLPGAツアーへカムバックを果たす。ただし、今季の開幕戦、吉兆があった。第1日、今年のホールインワン第1号を達成。ここまで17試合へ出場し、リランキング順位は21位につけている。第2回リランキング終了までの出場権を確定させた。
「2試合前まで、(リランキングが)ギリギリ。でも、前週のトップ10でクリアできたと思います。おかげで調子まで上がってきました」とうれしそう。今大会のフェアウェイキープは第1日=6回、第2日=9回と上昇へ転じている。この日、6バーディー、ノーボギーの66をマーク。完全復活のサインが近づいてきた。
こうした各選手の苦悩を間近で見ていると、2年目のジンクス、通算2勝目が最も難しいなど、勝負の厳しさが本当によくわかる。さらに、ツアーの競争がより激しくなった。
「今、ツアーで活躍している選手は皆さん、お上手です。アースの最終日、(2位の)西村優菜さんと同組でプレーしました。コースマネジメントとフェアウェイキープを徹底している。本当にうまいと感じた」と語っている。
こんなエピソードがあった。誕生時、史子と命名する予定だったそうだ。しかし、名前を調べると、金運には恵まれても、家族に恵まれない。そんな運気がわかったそうだ。そこで、思案し、子→果へ止め字を変更した。果には成し遂げるという他に、果敢、果断など思い切りがいい-という意味も。
2度の大きな回り道は、間違いなく人生の糧だ。「次の優勝は、最終日、最終組で達成したい」との大目標があるから、なおさらだろう。ムービングデー、こうご期待。
(メディア管理部・中山 亜子)
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