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2022.7.10

西村優菜ー無敵のスキルで複数回V達成

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第19戦『ニッポンハムレディスクラシック』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)大会最終日が7月10日、北海道苫小牧市・桂ゴルフ倶楽部(6763ヤード/パー72)で行われ、西村優菜が通算18アンダーで逃げ切りV。今季2勝目、ツアー通算6勝目をあげた。1打差の通算17アンダー、2位は野澤真央。3位は通算16アンダーのペソンウが入った。
(天候:晴れ 気温:28.8℃ 風速:4.7m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/4フィート コンパクション:24mm》

 楽な優勝などない。技術と精神の限りを尽くし、西村優菜は今季2勝目をあげた。会見では、しみじみと「すごくうれしい。苦しかった時間が多かった。ダメかなぁと感じた時もある。でも、あきらめずにプレーして本当に良かった」といい、ホッと胸をなでおろす。

 それだけに、18番第3打が一層、クローズアップされるわけだ。グリーン右手前バンカーから、ピン60センチへ寄せるスーパーリカバリー。すごかった。

 「すごく砂がやわらかい。怖がらず、ビビらず、たくさんクラブフェースを開いて打った。100点のバンカーショットです」と説明する。ただし、そんな複雑な心中を見ている立場ではわからないほど、決断がはやい。

 「バンカーショットが大好き。なぜか、よくはわかりませんけど、どんなショットを打てばいいのか、選択肢がたくさん脳裏へ浮かぶ。18番で気をつけたのは、絶対にショートだけはダメ。2メートル以内へ寄れば、オッケーということです」と振り返った。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 この日、2位グループへ3打差をつけてスタート。序盤から手堅いプレーで危なげがない。折り返しの10番、2つ目のバーディー奪取で後続へ最大4打差をつけた。ところが12番、第1打がラフへ。続く120ヤード、PWの第2打もグリーンをオーバーして、ボギーを叩く。

 さらに、13番でもアプローチをミスして連続ボギー。猛追する同組の野澤真央が首位へ並んだ。「プレーに圧倒された。少しだけネガティブになったけど、今季は開幕戦からショットの調子がいい。優勝争いを何度かして、いい緊張感の中でプレーすることが多かった。気持ちをスパッと切り替えて」とひと区切り。

 そして、「今まで、優勝した時って、どんな時でも決断が速い。迷ったらミスを誘発する。調子が悪くなったら、特に気をつけることです」と、自身のリズムを一定させる術を話した。

 ましてや、パー5の14番は確実にバーディーをとらなければならないホール。「もし、ダメなら優勝はない」と腹をくくったそうだ。2メートルを決め、流れを引き戻す。15番ではピン横8メートルのバーディーをねじ込む。「のぼりのスライスライン。それほど難しくはなかったし、決めたいなぁ、と思った」と、うれしそうに続けている。

 開幕前から、「勝って(欧州遠征へ)行きたい」と語っていた。加えて、今季の目標である複数回優勝を、早くも前半戦でクリア。「後半戦は残り3試合の内、1試合は公式競技で優勝したい」と新たな目標を設定した。その前に、意気揚々と次週から出発する海外メジャーへ、「行ったことがないコース。それに挑戦することが本当に楽しみです。ただし、経験だけで終わらせたくはありません。結果が大事」と、プロフェッショナルの心意気を示した。

 今大会、随所でオールラウンダーをアピールしたが、とりわけ印象的だったのは、フェアウェイキープ。何と、51/56と驚異的な精度である。しかも飛距離が出ていた。ツアー最長ヤーデージを克服。

 10日は、四万六千日。お暑い盛りです-という名調子があるが、伸び盛りの若手は猛暑でも常にクールだった。これもまた、即断即決は無敵のスキルになる証なのだろう。

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