2022.8.5
1/6を引き当てた鈴木愛 勝負勘も一変
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第22戦『北海道 meiji カップ』(賞金総額9000万円、優勝賞金1620万円)が8月5日、北海道北広島市・札幌国際カントリークラブ島松コース(6557ヤード/パー72)で開幕した。この日は強風。各選手の腕の見せ所だ。通算4アンダー、首位スタートは鈴木愛。1打差の3アンダーで上田桃子、内田ことこが追う。
(天候:晴れ 気温:22.4℃ 風速:4.3m/s)
《グリーン=スティンプ:11 2/3フィート コンパクション:22mm》
これが実力者。勘働きというものだ。鈴木愛が7バーディー、3ボギーの68をマーク。今季4度目の首位スタートを切った。
真骨頂をアピールしたのは、17番でボギーを叩いた後の最終18番。残り91ヤードの第3打を54度で、ピン上3メートルへつけた。取り戻す-気迫の表情がみなぎる。しっかりしたストロークでバーディーフィニッシュを決め、バウンスバックに成功した。
6分の1の確率が26パットというスタッツへあらわれる。迷いに迷った末の決断は上昇へ転じるための賭けだった。今大会へ6本のパターを持ち込んだ。「ショットの感触がすごくよくなってきた」と前置きし、「でも、対照的にパッティングの調子がよくない。この2週間で、1、2メートルのバーディーチャンス、パーセーブを思いつくだけで10回は外している」。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
悩みはつきないものだ。練習ラウンド、パッティンググリーンで次々に試す。コースや自身の感触とマッチするものを選択することは至難の業。そんな状況で選んだのは用具契約するピンの2021シリーズKUSHIN(クッシン)4だった。
「アンサータイプのヘッドでソールが広く、ネックが短い。鈴木プロはストロークでヘッドを開いて上げ、閉じて戻る。その動きに適したパターです」と、プロ担当は説明する。
ただし、当人はこれ、といった確信はなし。「選んだ決め手は打球がカップをオーバーしたこと。それからリズムがすごく良かった。でも、タッチなどはわからない。きょう、コースで使うと意外にいい感じ」と、久々に笑顔をのぞかせた。
一方、朝から強風で各ホールの難度がアップ。例外ではなく2、3番で連続ボギーの立ち上がりである。「切り返しのタイミングが悪い」と原因を究明。そこで、ちょっと思考を変化させたという。「風を意識しすぎるとリズムを崩す。風に合わせ、スイングをするのではない。私のスイングの中に風がある、という気持ちなら自然体になれる」。深呼吸をしながら、極意を体得した。
4番以降、ショットとパッティングがひとつの流れにおさまる。迷いなし。「きょうは、スパッとラインを決めて打つことができた。あすからもパッティングが決まれば、もっとスコアを伸ばせると思います」と手応えを得た。
19年、同じ北海道のニトリレディスでも今回同様、パッティングの不振に苦しんでいた。しかし、話題を集めたピンクヘッドのレディスモデルのパターで圧巻のV。名手は苦悩の果てに真価を発揮するものだ。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
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