原英莉花が首位キープ　Vのカギは『私を信じる』

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

　JLPGAツアー2022シーズン第25戦『ニトリレディスゴルフトーナメント』（賞金総額1億円、優勝賞金1800万円）大会第2日が8月26日、北海道小樽市・小樽カントリー倶楽部（6655ヤード/パー72）で行われた。原英莉花が通算8アンダーへスコアを伸ばし、首位をキープ。2打差の通算6アンダー、2位に吉田優利がつけている。通算5アンダー、3位タイは藤田さいき、浜崎未来、青木瀬令奈。3週連続Vがかかった、注目の岩井千怜は通算12オーバー、112位でよもやの予選落ちを喫した。
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《グリーン＝スティンプ：12 3/4フィート　コンパクション：24mm》

　パー3の17番。ティーイングエリアで原英莉花の表情が引き締まった。「残り2ホールで絶対、バーディーを」。自身へ心の中で活を入れる。この日は3バーディーが先行したが、13番からの4ホールで3ボギーを叩いた。

　「せっかく(バーディーを)積み重ねてきても、イーブンに…」とがっかりすると同時に、このままでは終わらない－という闘志がわき起こる。

　7Iの第1打はピン手前、7メートルへ。全集中のパッティングだ。「ショートだけはしたくなかった。きっちりとインパクトできれば、入る。アドレスをした時、私－入りそうだ、と感じた」という。決してやさしくはない。珍しく、特大のガッツポーズが飛び出す。

　「たったひとつですけど」とひと息入れ、「アンダーパーで上がることが重要でした。私を信じたプレー。結局、勝負どころでは自分を信じることができるか、です」と達観した様子で話した。

　第1日、65のロケットスタートを決めている。ところが、好調は思い通りに続くものではない。この日、前半は1バーディー、ノーボギーだったが、「なかなかチャンスがこない。ショットの感触が悪かった。1Wで左へ向きがち…。でも、気持ちを切らないように必死でした」と振り返る。

　そうした忍耐の積み重ねで後半へ。10、11番の連続バーディーにつながったのだろう。ところが－。「12番もバーディーチャンス。よしっ、流れがきたな、と感じた。でも、4メートルを外して良い流れが途切れて…。その後、ボギーが来たでしょう」と内面の葛藤をじっくりと語った。

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

　一方で、そんな状況へ直面することもゴルフの魅力だ。ましてや、今回はツアー屈指の難コースへ挑戦。さまざまな困難が待ち受けている。首位で決勝ラウンドへ。こんな気構えだ。「週末、風が吹くとすごく難しくなる。だから、チャレンジすることが楽しい。ゲームを楽しめるショットを打てるように調整します。きょうの反省はたくさんあるけど、気持ちを切らさずプレーができた」と折り合いをつけた。

　ちなみに、クールダウンにもいい、と練習へキャッチボールを2カ月前から調整法に加えている。「私、右肩がかたい。そんなことがあって始めました。キャディーさんにつきあってもらっていますけど私、ヘタクソです。でも、今は一番、楽しくて仕方がない」と言葉が弾む。気分転換もまた、一流プロの大切な資質だ。