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2022.9.16

ベテランの心意気 金田久美子が来た

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

第53回住友生命 Vitality レディス 東海クラシック 新南愛知カントリークラブ美浜コース(愛知県)第1日

 金田久美子が好調。5アンダー、3位タイと上々のスタートを切った。気は心。最大のターゲットは優勝だが、さらなる発奮材料がモチベーションをアップさせたという。

 今大会、JLPGA入会10年以上の選手を対象に『Vitalityスイート10賞』(提供・住友生命)が設けられた。ルーキーには各大会で特別賞も多いが、ベテランとなると珍しい。それだけに、「絶対、いただきたいです。ルーキー賞は当然だけど、ドラコンコンテストにも縁がない。今回、(実施要項を)拝見した時から、すごくうれしかった。ベテランを応援してくださるスポンサーの心配りに感激。私に限らず、みんなそうですよ」と笑顔で話す。

 前半を1バーディーで折り返し、後半へ入ると一気に調子をあげた。ハイライトは11番からの3連続バーディーだろう。3メートルを決めると、リズムがより良くなった。パー5の12番、残り90ヤードの第3打はグリーンを外し、15メートルが残る。しかし、第4打を鮮やかにチップインで連続バーディー。勢いに乗った13番は残り100ヤードの第2打を7Wで冴えを披露した。1メートルへ技ありのワンショット。

 そして、最終18番では7メートルを見事にカップインさせ、バーディーフィニッシュである。ムービングデーへ、さらなる勢いがついたに違いない。「後半、もっとチャンスがあったけど、やはりノーボギーで追われたのはいいプレー。いい気分です」と振り返る。

 一方、パッティングも当然だが、もうひとつ好調の要因を、「シャフトを変更したことでしょう」と分析。「前週まで、もう曲がりまくって…。今回、コースは右OBが多い。私は右にひっかけるクセがあるから、きのうボールをつかまえやすいものへ替えました。まだ、1Wで曲げることもあるけど、右へ行くことがない。良かったです」と続けている。

 ちなみにシャフト変更は、「ひらめき」。まさに勘働きだった。しかも、地元愛知というホームアドバンテージがある。「車で40-50分かかるけど、自宅から通っていることも大きい。年に一度、自宅通勤はここだけですよ」。

 かつては天才少女といわれた。それだけにプロ11年目とはいえ、ベテランと呼ぶことがはばかられるところだが、「私も(ベテランと)思っている。朝、すれ違う選手から先に、おはようございます、とあいさつされることが多くなった。今まで、私からあいさつしていたのに、まぁ受け入れていますよ」と、懐が深い。

 今季はQTランキング87位からのスタートだったが、第1回リランキングで18位へ上昇。もっか同21位だけに次週、第2回リランキング前のもうひと頑張りが期待される。奮起しなくてはならない材料が揃った。これぞ、選手冥利に尽きる-というものか。

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