2022.9.24
連日の100点 山下美夢有は8打差で最終日へ
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JPGAツアー2022シーズン第29戦『第49回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント』(賞金総額7000万円、優勝賞金1260万円)大会第2日が9月24日、宮城県宮城郡・利府ゴルフ倶楽部(6491ヤード/パー72)で行われた。山下未夢有がこの日も好調。5バーディー、ノーボギーで通算17アンダーと独走態勢。8打差の通算9アンダー、2位タイは三ヶ島かな、竹田麗央がつけている。
(天候:雨時々曇り 気温:23.9℃ 風速:0.8m/s)
《グリーン=スティンプ:10 1/2フィート コンパクション:22~23mm》
山下美夢有に難敵が襲いかかった。正午までの微風から、午後になると最大瞬間風速13.3m/sの強風がコースに吹き荒れる。「後半、すごい風が吹いて、イメージ通りにいかないまま終わってしまった感じがする」。それはそうかもしれない。前日は60のスコアが示す通り、すべてがうまく運んだ一日。ただし、ゴルフ界には好スコアは続かないという格言がある。
にもかかわらず、ムービングデーもノーボギーのラウンドを達成。しかも、5バーディーを奪った。終わってみれば通算17アンダーまでスコアを伸ばし、独走態勢を構築したのだから、恐れ入りましたというしかない。
好調は続いた。1番、148ヤードの第2打を6Iでピン横50センチにつけ、バーディースタートを決めた。ギャラリーがどよめく。そして4番はピン奥から3メートルのバーディー。続く5番は、ピン右12メートルのロングパットをねじ込んだ。
一方、後半は強風下でガマンの展開。それでも数少ないチャンスを逃さない。「風の影響を受けないように、低い球を打つようにした。ただ、左右からの風がそれほどではなく、フォローかアゲンストかの判断。ジャッジしやすかった」と話した。
強いボールを打つ-鍛錬の賜物だろう。愛用のアイアンにはスチールシャフトが装着されている。重量があり女子では珍しいダイナミックゴールドだ。「風が強い時、左右のぶれが少ない。高校の頃からお気に入りで、ずっと使っている」。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ホールアウト後のインタビューでは、2日続いて「100点」の評価をしている。ただし、ピンチがなかったわけではない。パー3の7番。第1打が奥のラフへ飛び込んだ。左足下がりの難しい第2打となったものの、50度で50センチにピタリと寄せた。ショートゲームも巧みである。「2メートル以内に寄ればいいと思ったけど、ラッキーです」と口元を綻ばせた。
2位グループへ8打差をつけて迎える最終日。日曜日の最終組は今季6度目、通算9度目である。ところが、優勝は今年のワールドレディスサロンパスカップの1勝。他の2勝はいずれも、最終組の1組前でプレーした。心の緩みを招きがちな大差こそ、数少ない不安要素かもしれない。「いつも通り、スコアを気にしない。1打集中です」と気を引き締めた。
ちなみにツアー最少記録を樹立した今回こそ、狙ってほしい記録がもうひとつ。最多差Vだ。96年伊藤園レディスでローラ・デービースが通算17アンダーで優勝し、2位へ15打差をつけた。心技体が充実している今、挑戦する価値はある。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
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