2022.10.21
首位・河本結『プロとして当然のことができた』
<Photo:Buddhika Weerasinghe/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第33戦『NOBUTA GROUP マスターズGC レディース』(賞金総額2億円、優勝賞金3600万円)大会第2日が10月21日、兵庫県三木市・マスターズゴルフ倶楽部(6585ヤード/パー72)で行われた。前日に続き、好調をアピールしたのは河本結。この日、66をマークし、通算13アンダーで首位をキープした。3打差の通算10アンダー、2位へ脇元華が浮上。原英莉花はスコアをひとつ伸ばし通算8アンダー、4位で決勝ラウンドへ向かう。史上初の2週連続大会連覇がかかる古江彩佳は通算5アンダー、10位タイ。
(天候:晴れ 気温:19.7℃ 風速:3.0m/s)
《グリーン=スティンプ:11 2/3フィート コンパクション:22mm》
復活の足音が聞こえた。河本結が通算13アンダー、首位で決勝ラウンドへ向かう。ここまでノーボギー。やはり、気分がいい。とはいえ、より一層、気を引き締めた。
「2日間、パッティングのタッチがすごく良かった」と好調の要因を語った後、「きょうの後半は、耐えるゴルフでした。大会中、いつかは来ると思っていたけどボギーを叩かずにすんだことがうれしい。自信になった。素直にきょうの私をほめたい」と、静かに振り返った。
インスタートの前半、4バーディーを奪取。特に18番では8メートルのバーディーを決めた。勢いをそのままに、折り返した1番でも3連続バーディー。しかし、続く2番でこの日、唯一のミスショット。ピンチを迎えたが、ラフからの第3打を2メートルにつけ、パーセーブに成功した。
さらに、3番。ここでもシビアな3メートルのパーパットが残った。しかし、全集中でしのいだ。前半と対照的に、なかなかチャンスがつくれない。それでも、時おり天を見上げながら、心を落ち着かせた。7番も3メートルのパーセーブ。見事である。
プレー中、負のスパイラルへの入り口が、そこかしこにあるにもかかわらず、決して足を踏み入れることがない。従来の攻撃型のスタイルとは、明らかに違うことがわかった。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「今年はずっと、どうやってもうまくいかない。ミヤギテレビ杯の後、ハラをくくって、たとえQTへ行っても、それまでやるべきことをすべて行う、と決めました。たとえ、小さなことでも積み重ねれば力になるはずです」と話す。そのひとつが、前夜の準備。「コースメモを見ながら、翌日のイメージをつくる。時間にすると、10分程度かもしれません。でも、調子が良かった時は、こういう準備をしていた。それがうまくいかなくなってから、やってはいない。今の立場になってダメなら仕方がありませんけど、やらずに後悔はしたくないでしょう」と続けた。
さらに、「きょうまで、ノーボギーという結果も、どこへ打ったらボギーを打たないか、前日からしっかり準備をしている。正直な話。ゴルフに対して、正面から向き合っていなかった」と本音を漏らしている。他でも、パッティングについて、「グリーンに切られたカップへ、少ない数で決める。これは、ゴルフにおいて、基本中の基本。プロとして頑張るのは当然です。きょうは、プロとして当然のことができた喜びというのかなぁ。首位は、やはりワクワクして、楽しいです」。
本音を綴りながら、等身大の会見は聞いている立場が、共感できるシーンが盛りだくさんだった。
一方、ラウンド中、目を引いたのはプレーだけではない。14番が終わると、小さな女の子へ、サイン入りの特製シールをプレゼント。ギャラリーに見守られるトーナメントはやはり、素晴らしい。「(成績が)悪い時でも、応援してくださるファンの方がいます。パワーというのか、皆さんの力をお借りしたいと思います」。うれしそうにほほ笑んだ。
そして、「最近は(うまくいかずに)怒っても、モノにはあたりません。ムカついた時は、上を向く。気を静めて次へ-でしょう」と、エリを正したとか。
リボンの騎士はセルフコントロールまで巧みになった。試練を乗り越えながら、明るい未来を待てばいい。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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