2022.10.23
川﨑春花V『強いゴルファーであり続けたい』
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第33戦『NOBUTA GROUP マスターズGC レディース』(賞金総額2億円、優勝賞金3600万円)大会最終日が10月23日、兵庫県三木市・マスターズゴルフ倶楽部(6,585ヤード/パー72)で行われ、ルーキーの川﨑春花が通算15アンダーで大激戦を制した。日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯に続く、ツアー2勝目。1打差の通算14アンダー、2位タイへ佐藤心結、河本結が入った。史上初の2週連続大会連覇を目指した古江彩佳は通算9アンダー、8位タイ。
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《グリーン=スティンプ:12 1/3フィート コンパクション:21.5mm》
秋、最後の節気、この日から霜降へ入った。川﨑春花は圧巻の初Vから今大会が6戦目にあたる。しかも、自身初の最終日、最終組。1打差の逃げ切りで通算2勝目をあげたことに、「今年中にもう1勝-。達成できてうれしい」と語ったものの、19歳の年齢を感じさせないほど落ち着きはらっていた。
この精神力の強さが、技術以上に最大の特性かもしれない。1打差で迎えた最終18番。パーオンに成功し、10メートルのバーディートライを30センチに寄せ、ウイニングパットもあっさりと沈めた。「3パットしたらどうしよう。そう考えたけど、狙ったライン通りにストロークすることに集中。微妙なパーパットではない。ホッとした」と振り返る。
またも、ビッグトーナメントで優勝。ただし、前回とは違い「怒りがパワーに変わった」とも明かしている。スタートの1番、3パットのボギーを叩く。今大会、パー5のボギーは初めて。「内心、すごく腹が立っていた。よしっ、次は絶対にバーディーをとる。2番へ向かう前、スコアを記入しようとしたら、手が震えていた」という。
続く、2番は残り136ヤードの第2打をピン1.5メートルへ。見事なバウンスバックである。ただし、状況が一変とはいかない。一進一退。「思ったプレーができない。とくかく、耐えた。ガマンです。4番では10メートルのパーセーブも。その結果が前半最後の2ホールで、連続バーディーにつながったのかもしれない」と分析した。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
そして、勝負のバック9へ。ところが、チャンスのはずだったパー5の12番で再び、ボギーを叩く。しかもピン上5メートルからの3パット。怒りは当然だが、ちょっと思考を変化させた。
序盤から首位タイでスタートした河本結とのマッチプレーのような展開に、下位から猛追する佐藤心結、申ジエなどが優勝争いを演じる。高校時代、マッチプレー選手権で優勝したことから、「あっ、マッチプレーや」。大接戦を存分に楽しんだ。こんな気持ちの転換がサッとできる。大いなる武器だ。
13番ではまたも、バウンスバック。それから最後のパー5、15番では、モヤモヤを吹き飛ばすかのような見事なショートゲームを披露した。ピン50センチにつけ、あっさりとバーディー奪取。グイッと単独首位へ立つ。溜飲を下げた。「チャンスホールでスコアを落とす。情けない。後半の3パットも幻滅した」と打ち明けたものの、見る側からはまったくわからない。にこやかに淡々とプレーを続けているように映るから、これが勝負師の真骨頂だろう。
「今回は優勝を意識した。それでもスコアを落とさなかったことが自信に…」と、ひと息入れながら、「難しいといわれる2勝目を今シーズン、しかも4日間大会で達成できた。優勝した時は、涙が出ない。笑っちゃいます」。ティーンエイジャーの笑みをみせる。
また、次の目標-の質問には、「目の前のことに必死。ひとついえることは、強いゴルファーであり続けたい」と結んだ。今季の残りは5試合。「また、勝てるように頑張りたい」とも。
深まる秋にさらなる闘志をたぎらせた。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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