2022.11.3
秋思で一変 上田桃子-圧巻の5連続で首位
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
日米両ツアーの選手が出場するUSLPGA公式戦『TOTO ジャパンクラシック』(賞金総額200万ドル、優勝賞金30万ドル)が11月3日、滋賀県大津市・瀬田ゴルフコース北コース(6616ヤード/パー72)で開幕した。小雨が降った天候が一変。秋晴れの絶好のコンディションに恵まれ、好スコアが続出する。大会第1日、7アンダーで鈴木愛、上田桃子がロケットスタートを決めた。1打差の6アンダー、3位タイは小祝さくら、古江彩佳。5アンダー、5位で山下美夢有が好位をキープしている。
秋思を経て、新たな一歩を踏み出した。上田桃子にとって今年は最強の運勢。今季の残りは4戦を残すのみだ。いったい何が−。65をマークし、堂々の首位発進を決めた。しかも、5連続を含む8バーディーを奪取。目を見張る変化である。
前2戦は連続の予選落ち。「ものすごく、調子が悪いわけではなかった。だから、モヤモヤが続いて…。エッセンス、スパイスのようなものが欲しい。何かをかえれば集中力がでるのではないか」と決断した。
早速、動く。まず1Wのシャフトへ着目。「違うメーカーのシャフトをつかうのは、プロになって初めて。何種類か試して、とてもいい感触を得たけど、なかなか踏み切れない。でも、メーカーの方が、このシャフトを試してくださいと最後に提供してくださったものが、すごくいい。きのうのプロアマトーナメントで使って、きょうからです。おかげさまで、気持ちよくクラブが振れて、その流れでアイアンショットもそのまま…」と、上昇の要因を説明している。
続けて、「パターも替えました。メーカーと形状は同じだけど、ダブルソールで幅が広いものに。変化をいただいた。パッティングも決まった」という。短いものでは、13番の30センチから、ロングパットの7番、9メートルまでまんべんなくカップイン。5連続バーディーは15年ミヤギテレビ杯以来、通算3度目の自己ベスト記録だ。さらに、65も今季の自己ベストスコアをマークした。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
「今年、公式競技優勝へ重きを置いてきた。まだ、1試合残っているけど、3試合が終わって心にポッカリ穴があいてしまったような…。読書をしながら、いろいろと気持ちを切り替えようとしたけど、それほど都合よくはいきませんね」としながらも、前週の三菱電機レディスへ話題が移る。ベテラン、金田久美子の激闘はファンだけではなく、多くの選手へ無言のメッセージとなって伝わった。
「金田さん、とても落ち着いて見えた。とてもいい表情だったし元々、アプローチとパッティングがうまい。試合を見ながら、勝つときはこういうか感じなのか。日々、自身のプレーをやり切った選手が優勝する」。達観したそうだ。
ちょっと珍しいシーンを目撃。いつもはホールバイホールをすらすらと述べるのだが、この日は熟考し、メモを確認しながら−である。「5連続を決めた感じではない」と苦笑しながら、「第1日が良かっただけです。今回の目標は過去を引きずらない。終わったことは、切り捨てる。あす、ベストをつくすことが今の目標だから」。この徹底ぶりがすごかった。
まさに、日々是吉日。迷いはない。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
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