金田久美子　通算3勝目へ『戦えるようになった』

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

第38回伊藤園レディスゴルフトーナメント グレートアイランド倶楽部（千葉県）

　11年の空白は予想以上。ツアー最長ブランクVを金田久美子が更新した。出場権がなかった前週は調整にあてたが、「気持ちを引き締めて週明けからトレーニング。コースでも練習を行っていた。ちょっと引き締まりすぎ−と感じるぐらいでしたけど、きょうはいつもの私へ戻ったかなぁ」という。

　確かに、同じ1勝でもただの優勝と違う。「(反響が大きく)びっくりです。これほどたくさんの皆さんが応援してくださって…。本当にありがたいです」と前置きし、「優勝が決まってからメッセージが次から次へ…。600、いや700件ぐらいはあった。帰りの車中、4時間ぐらいかかったけど、その内の3時間半ぐらいは返信です」と、うれしいサプライズだった。

　特に、「(優勝をみて)私もがんばろうと思った、というメッセージが多く、私でもできるんだなぁ。感動や勇気づけることが…。そういうことができたことは、すごくうれしい」。当然のように、通算3勝目は、「2勝目みたいに、長くかかりたくはありません」と姿勢を正したそうだ。

　それだけに、「試合が終わって、寝る頃にはいつもの私に。もっと達成感があるのかなぁ、とは思っていたけど、それほどでもなかった」と本音が飛び出す。ということは、「戦えるようになった」証明だろう。

　もちろん、優勝直後の一戦ということでファンは熱視線をおくっている。そういう立場を自覚しているからこそ、前向きの発言が次々と。「調子はボチボチです」と笑顔を浮かべながらも、「3日間通して、いいプレーをしたい。また、上位争いできればいいなぁ。しっかり1Wの調整をしてきます」と、練習場へ向かった。

　いい具合に肩から力が抜けている。これぞ、経験の賜物か。

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞