2022.11.11
ピンチで動じずノーボギー 山下美夢有-首位発進
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第36戦『伊藤園レディス』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)が11月11日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6741ヤード/パー72)で開幕。絶好のコンディションに恵まれ大混戦となっている。大会第1日、6アンダーで首位に立ったのは山下美夢有。メルセデス・ランキング首位を快走し、優勝を飾れば年間女王のタイトルが決定する可能性もある。上々のスタートに笑みがこぼれた。1打差の5アンダー、2位は西村優菜、上田桃子。4アンダー、4位タイで福田真未、西郷真央など9人が続く。
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《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:24mm》
ハデではないけど、うまい。山下美夢有が素晴らしい修正力をアピール。一流選手は、ピンチで真価を発揮−の象徴的なシーンを目撃した。
2バーディーで迎えた前半最後の9番。第2打がグリーンをオーバーし、左奥のラフへボールが転がる。「絶対、左へ外してはいけない。マネジメントミスでした」と反省したものの、後悔を引きずることはなかった。
難度が高い下り傾斜をどう切り抜けるか。ピンまで25ヤードである。58度で、ボールをふわりと浮かせ、グリーンでワンクッション。ピンそば30センチへきっちりと寄せた。「前半、耐えるプレーが多い。あそこでパーをセーブできたことが一番大きかったと思います」とクールに振り返った。
今季、ドライビングディスタンスは54位の235.36ヤード。第1打では少々、ハンディを背負うが、パーオン率は2位の74.3414%と跳ね上がる。しかも、パーオンを逃してもなお、リカバリーして見せるのだから、メルセデス・ランキングトップを快走しているのは当然かもしれない。
後半、解き放たれたかのように10、11、13、14番とバーディーを重ね、一気に首位へ立つ。「前半、若干ですけどリズムが速くなっていると感じた。うまく修正できたと思います」という。また、「毎回、同じリズムで打つことを心掛けて練習している。その積み重ねのお陰で、コースでもちょっとした違いに気付けるのでしょう」。研ぎ澄まされた感性が、絶妙のバランスでハーモニーを奏でた。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
今大会、優勝を飾り現在、ランキング2位の西郷真央が単独4位以下の場合、年間女王が決定する。ビッグタイトルを目前にして意識が過剰になりそうだが、「ラウンド中、リーダーボードは見ていたけど、気持ちが乱れることは特になかった」と、事もなげに言い切った頼もしさだ。さらに、躍進中のルーキー・川﨑春花と同組について、「かわいくて、話しやすかったです。ふふふ……」と貫録を漂わるほどだった。
続いて、「久々に6アンダー。3日間大会の第1日、ちょっと出遅れてしまうことが課題のひとつ。明日からもしっかりやっていこう」と謙虚に、気を引き締めた。ただし、ミヤギテレビ杯では第1日、60のツアー最少ストロークを更新し、完全優勝を遂げている。この日、ノーボギーのラウンドを披露。つけ入るスキを与えなかった。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
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