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2023.4.29

新海、大出が発奮 リランキング組にも注目

新海美優<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント 浜野ゴルフクラブ(千葉県)第2日

 1打を争う大混戦。加えて、最終日は低気圧の接近で荒天の予報だ。誰が、勝つかわからない。シード権をもたない選手にとって、第1回リランキングまで今大会を入れて8戦が勝負である。

 新海美優が瞳を輝かせた。初シードを獲得した17年、ニチレイレディス2位タイ以来の優勝争いだ。通算5アンダー、5位タイからさらなる上昇を狙う。この日は6バーディーを奪取。特に最終18番が印象に残った。残り82ヤードの第3打をピン奥1メートルにつける抜群の切れ味。「気持ちをリセットしたのが良かった」と話した。

 今回は3週ぶりの実戦だ。というのは、左足首のじん帯損傷が原因。「アクサレディス宮崎でスイングの時、ひねってしまった。それほどたいしたことはない、と思って次のヤマハレディース葛城へ出場したけど、違和感が消えなかった。それで通院したら、じん帯を損傷して全治3週間…」とうつむき気味で漏らし、「今年は毎週、試合がある。だから、久々に一喜一憂しながら毎日を送ってきた。なかなか成績が上がらないし、ちょっと自分のことがわからなくなった時期です」。

 さらに、ひと息ついて、「リランキングが気になるところですけど、リセットの3週間と気持ちを切り替えた。おかげで、穏やかに毎日を過ごせたと思います。きょうのいいプレーはそのおかげかもしれませんね」と笑顔で語っている。そして、コンビを組んだハウスキャディーへ感謝を。「とてもライン読みがすごい。迷ったら、キャディーさん-でした。難しい状況だけに心強いです。私は飛距離がそれほど出る方ではありません。あすの風と雨が心配ですけど、今はなるようになるか。そんな心境です」と、淡々と語っている。


大出瑞月<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 一方、通算4アンダー、6位タイにつける大出瑞月もリランキング組。この日のプレーを形容すると、魔術師だった。2番、15メートルのバーディーを沈める。「カップまでの距離を見た時点で、もうどうしていいのか…」と本音を吐露。それでも覚悟を決めてストロークすると鮮やかなカップインだった。

 ツキがある。第1日、こんなことがあった。「14番をプレー中にフェアウェイ左サイドで、ファスナー付きのプラスチックバッグに入ったお守りを見つけた。どうしようと思ったけど、誰かが大事にしているものだろう。フロントへ届けた。一日一善ですよ」と振り返る。

 いいことをすれば、気持ちまで良くなった。そのご利益が第2日に表れたのだろう。ただし、神がかりのプレーはこれだけではない。4番では、もっと長い。16メートルのロングパットが決まった。そして、後半はパー5の12番で、ミスショットがスーパープレーに。

 「残り30ヤードの第3打。58度でボールを上げるつもりが、クラブの入りが薄くなった。それでもスピンがうまくかかって、お先に-のバーディー。ギャラリーの皆さんが驚いていた。うふふ…」と漏らしている。今季はQTランキング21位で前半戦の出場資格を得た。新海同様、リランキングが気になる時期だが、「何も考えずに、頑張ります」。無欲で最終日へ向かう。

 とはいえ、この日は一日一善がなかった。ちょっと首をひねったが、ギャラリーに披露したプロの技の数々は、きっと見に来てよかった、と思わせただろう。もうひとつある。こんな楽しいエピソードを大公開。これも善行に違いない。

(青木 政司)


大出瑞月<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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