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2023.5.17

西村優菜、「ギャラリーの声援が聞きたくて」出場を決心!

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ブリヂストンレディスオープン 中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)

 元気印がトレードマークの西村優菜もさすがに強行軍による疲労を隠し切れなかった。前週開催されたUSLPGAツアーのファウンダーズカップに出場した後、すぐに帰国の途に就いたが、火曜日の夜に関西空港へ到着。一度大阪の自宅へ戻ったものの、早朝には開催コースの中京ゴルフ倶楽部へ向けて出発し、8時51分のスタートに間に合わせた。

 「太陽の光に当たったので眠くないです」と気丈なところを見せたが、時差ボケもあり、プロ・アマトーナメント終了後にはお疲れモードに入っていたことは否めない。体調だけでなく、ゴルフの調子自体も決していい状態ではなく、ベストパフォーンマンスを見せる自信もなかったが、あえて出場に踏み切った理由はある。

 「たくさんのギャラリーの前でプレーしたい、ファンの皆さんに会いたいという思いが、自分の中で大きくなっていったんです」

 USLPGAツアーの場合、ルーキーは早朝や午後の遅い時間にスタートするのが常で、ギャラリーが誰もない中ティーオフするのは珍しくない。ましてやQスクールの下位選手ならなおさらだ。日本ではトッププロとして活躍していた西村にとっては、ギャラリーから声援をもらいながらプレーすることが当たり前だっただけに、余計にその反動が大きいことは容易に想像できる。

 ましてや、技術面では海外選手と差を痛感させられることばかりだったという。「例えば、硬いグリーンに対して自分はボールを止めることができないのに、他のプレーヤーはスピンの効いた高い球でしっかり止めるんですよね。同じところにボールを落としてもピンチとチャンスに分かれてしまうので、そこが今後の課題になります」と主張する。

 もちろん、タダでは転ばないのが西村だ。そんな状況でも着実にポイントを上乗せしていっただけでなく、どん欲に新しい技を習得しようとしている。「難しい状況で戦っているからこそ、こういう球を打ちたいとか、体の状態をこうしたいとか、向上心が湧いてきます。新しい技もまだ身についていませんが、シチュエーション別にアプローチの方法を変えるなどのバリエーションを増やそうとしています」と、レベルアップに向かっての苦闘を続けている。

 その西村がどのような成長を今大会で見せるのか要注目だが、時差ボケの中でのラウンドでもポイントはしっかり押さえている。「下が軟らかいからか、フェアウェイにあるボールが少し浮いているように感じます。それが原因でアイアンの飛距離が2ヤードほど飛んでいるかなと思いました」。本戦ではその辺をしっかり計算しながらグリーンを狙っていくが、USLPGAツアーと比べるとグリーンが軟らかい分、チャンスホールではしっかり攻めていくつもりだ。

 今季、JLPGAツアーでは2試合に出場して2試合ともトップテン入りしている西村。今回と同じコースで開催された20-21年シーズンでは、9位タイとやはりトップテンに入っている。ギャラリーからの声援に勇気づけられれば、昨年のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップからの連続トップテン入り記録を4試合に伸ばす可能性は十分あるだろう。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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