2023.5.19
ラウンド後はNO練習がいい!? 鈴木愛が暫定2位タイに!
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ブリヂストンレディスオープン 中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)第2日
大会第1日は31.3度と猛暑日となったが、第2日は朝から冷たい雨が降り、気温も正午の段階で17.2度まで下がった。その影響もあり、どの選手もスコアを伸ばし切れなかったが、4バーディー、ノーボギーの67をマークし、暫定順位ながら前日の30位タイから一気に2位タイにまで順位を上げたのが鈴木愛だ。
「(ピンチをしのいだ)ガッツパーも何回かあったんですよね」と振り返ったように、この日は3メートルを2回、2メートルを1回沈めてパーセーブ。4つ奪ったバーディーも1メートルが1つあるだけで、あとの3つは3-4メートルを沈めてのものだった。「タッチとフィーリングが良かったので、いいパッティングが多かったんだと思います」と、好調の理由を語るが、それだけではない。「雨が降った影響でグリーンのクセが出ず、ボールが素直に転がってくれた」ことで、ラインを読みやすくなっていたのも大きい。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
鈴木といえば誰もが認めるパット名人であり、ツアーに本格参戦するようになった14年から平均パット数でトップテンを外れたことは一度もない。その鈴木が、今年は1ラウンド当たりの平均パット数が29.0000(16位)と苦しんでいる。ひじを曲げてみたり、試行錯誤を繰り返しながらも、少しずつ本来の姿に戻りつつあるのだろう。
そんな鈴木が今回、思い切ってトーナメント中のルーティーンを変えたという。「第1日が午後スタートで暑かったし、第2日のスタートも早かったので、第1日のラウンド後は練習せず、すぐにホテルへ帰りました」。普通ならそのまま聞き流すところだが、練習時間に関してはツアーでも1、2を争う鈴木の言葉だけに、そのままスルーするわけにはいかない。ましてや、2週前のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップではショートパットを複数回外し、前週のRKB×三井松島レディスではアプローチに不安を感じていたにもかかわらずだ。改めて確認すると、「以前の自分ならあり得ないと思いますが、年齢的なところもありますし…」と自身にとっても思い切った決断だったのは間違いない。
ただ、4アンダーという結果を見る限り、その判断は英断だったと言わざるを得ないだろう。雨の中でのラウンドは、レインウェアを着ることで体が動きにくくなったり、クラブから水気を取ったりと、気を遣うことが多く、プレーに集中できない要素が加わる。鈴木自身、以前は雨天のラウンドを苦手としていたが、この日はレインウェアを着ていても普通にスイングできたという。パフォーマンスを発揮するには休息も必要といわれるが、やはり、しっかりと体を休めたことで、集中力がアップするなど、自身のラウンドに少なからず影響していたと思われる。10日前に29歳になったばかりの鈴木。考え方もゴルフも“大人”になった新しいスタイルを残り2日間でも見せたいところだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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