2023.6.16
首位でも不調を明言 山下美夢有の強さを目撃
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第16戦『ニチレイレディス』(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)が6月16日、千葉県千葉市・袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(6621ヤード/パー72)で開幕した。絶好のコンディションに恵まれ、好スコアが続出。山下美夢有が65をマークし7アンダーで首位に立った。1打差の6アンダー、2位はサイペイイン。5アンダーで吉田弓美子、石川明日香、三ヶ島かな、東浩子が続いている。
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《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:23mm》
山下美夢有は、序盤からバーディーラッシュ。5連続を含む6バーディーである。常々、第1日がカギと口にしている。最終日へ向け、徐々に調子を上げていくタイプだが、この日は違った。しかし-。
意外な舞台裏があった。「朝の練習場でまったくダメ。ショットが修正できずに1番へ向かいました。ショットのミート率、クラブの入射角が悪い。打球が左右にぶれているし、飛距離も20ヤードは落ちていたかもしれません」。ところが、勝負はどんなことが幸いするかわからない。地道に練習を重ねていれば、運が転がってくる。
「2、4番のミスショットが、結果オーライ。いい感じでグリーンへ転がって…。うまくバーディーがとれた。そうなると、不思議で調子が悪くても何かが助けてくれる。きょうは、パッティングにつきる。特に前半は。前週に続いて、今回もショットの感触がいまひとつ。私のスイングではない。フィニッシュが決まらなかった。だから、ショートゲームとパッティングの練習をいつもよりたくさん。きょうの結果からいえば、それが良かったのかもしれません」と分析する。
ちなみに5番は50センチのバーディーだったが、6番からの3ホールは、ギャラリーがまるでマジックをみるように目を丸めていたことが印象的。8メートル→6メートル→9メートルを決めている。「あのあたりからリズムが良くなった。ショットがいいからスコアが出るわけではない。やはりゴルフはパッティング-ということを改めて思い知らされた」と話している。
後半は再び、バーディーラッシュといかなかったが、それでも第2日につながる、上がり3ホールで2バーディーを奪った。16番は残り139ヤードの第2打を8Iで5メートルへ。らくらくカップインさせた。また、最終18番は残り94ヤードの第3打をピン手前3メートルにつけ、鮮やかに締めくくる。
最終日の18日は父の日。「まだ、父の日に勝ったことがない。それが私の恩返し。優勝できたらいいですね。さぁ、あしたへ向けて(ショットの)修正です」と、全身にパワーをみなぎらせる。通常はひた隠しにする、強さの秘密を垣間見せた。
(青木 政司)
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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