2023.6.30
永井花奈、予定外の単独首位に不安と期待が入り混じる
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第18戦『資生堂 レディスオープン』(賞金総額1億2000万円/優勝賞金2160万円)大会第2日が6月30日、神奈川県横浜市・戸塚カントリー倶楽部西コース(6605ヤード/パー72)で行われた。5位タイからスタートした永井花奈が68をマーク。通算7アンダーまでスコアを伸ばし、単独首位に躍り出た。1打差の2位、通算6アンダーに好調の桑木志帆。さらに1打遅れて通算5アンダー、3位タイに藤本麻子、吉田優利が並ぶ。
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《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:23mm》
嬉しい誤算とはまさにこのことだろう。序盤の4ホールで2つのボギーを叩いたときは予選カットが頭にちらついたという永井花奈。ところが、それがきっかけで目の前のボールに集中した結果、いつの間にかリーダーボードの一番上に自分の名前が刻まれていた。
「どうしてスコアが良かったのか自分でもよく分かりません」と振り返る。今年でプロ8年目を迎えるが、自分のゴルフに対して常にストイックな姿勢で取り組んできた。トーナメントに出場する際も、しっかりと準備を行い、万全の状態で臨めるように心がけてきた。自分のショットとパッティングに手応えがあってこそ、第1日から全力でスタートできるタイプでもある。
ところが今回、スコアメイクの根幹となるドライバーショットとパッティングに不安を抱えていた。当然、自分に対する期待値は低く、徐々に調子を上げていくことしか考えていなかった。にもかかわらず、いきなり1位に躍り出たため、メンタル的に混乱してしまったのだ。
しかし、いくら第2日終了後とはいえ、何の根拠もなくトップに立てるほど甘い世界ではない。永井なりにスコアを伸ばす努力はしっかりしていた。今回、永井が苦労したのがティーイングエリアの向きとフェアウェイの向きだ。どちらも自分がボールを落としたい方向に向いていないことが多かったため、ボールのコントロールが難しかったという。だからこそ、ボールと目標を結んだラインに対してスクエアに構えようといつも以上に神経を使うようにした結果、大きなミスを避けることができた。
また、打ち上げ、打ち下ろしホールでは、目線が高くなり過ぎたり、低くなり過ぎる傾向にあり、いつもと同じスイングができない場合もある。それを避けるために、普段よりも目線の高さに気をつけてアドレスに入るように心がけた。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
さらに、パッティングではフェースの芯を外すことが多かったが、その原因を模索し続けた結果、テークバックの位置が高くなっていると気がつく。低い位置にヘッドを上げるようにしたことで、芯でとらえられるようになり、スムーズにストロークできるようになったという。
試行錯誤しながらも予定どおり徐々に調子を上げてきた永井だが、それでもまさかのトーナメントリーダーになった戸惑いは消えない。「もちろん、この位置で第3日をラウンドできるのは嬉しいんですが、順位に影響されて意気込み過ぎてしまう不安もあるんです」。まさに期待と不安が入り混じった精神状態で決勝ラウンドに臨むことになるが、その一方で今まで体験したことがない逃げ切る展開に持ち込みたい気持ちもある。どこまで自分を信じることができるか。第3日は永井のメンタルを試されるラウンドになりそうだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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