2023.7.7
プラスワン2023~山内 日菜子
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)第2日
次週はオープンウイーク。前半戦のラストスパート、とばかりに奮闘中だ。今季、JLPGAツアー初優勝は5人。そのひとり、山内日菜子はアクサレディス宮崎をQTランキング181位から主催者推薦出場でチャンスをつかんだ。しかも、地元Vというドラマをつくった。
「大きな壁を乗り越えた。何より、自信がついたことが大きいです。地元の皆さんが喜んでくださったのが何よりうれしかった」と振り返る。
確かにプロゴルファーにとって、優勝者となることは大きな壁を乗り越える、という表現が的確だ。というわけで、選手が1勝する確率を調べてみた。会員もしくは、単年登録をしたことがある人数は、これまで1874人(※退会者、ティーチング会員を含む)。その中で1勝以上が253人(※アマチュア時代、招待選手も含む)だった。確率は13.5パーセント。厳しい世界であることがおわかりだろうか。
しかも昨今は、最終プロテスト合格までの競争が激化している。22年3.1パーセント、21年3.4パーセントなど、狭き門を潜り抜けてきたエリートたちが頂点を目指す。プロゴルフ界ではこんな格言もある。初優勝より、2勝目が難しい。2勝以上をあげた選手は179人(※同)。9.6パーセントの確率だった。1割にも満たない。加えて、3勝以上はどうだろうか。136人(※同)で、7.2パーセントである。1勝の重みはどんどん増してくるのだ。
さて、山内である。前年までの不振がうそのような安定感を示した。優勝の翌週、ヤマハレディースオープン葛城も9位。9戦連続で予選突破を果たした。ところが、思わぬ落とし穴が・・・。「予選通過ばかりを気にしていたら、上位争いができない。カットラインばかりが脳裏を過って、ハードルを下げてしまったような感じです。安全にプレーしすぎた-と反省しました」という。ここ数戦、成績はふるわなかったが、「調子は良くなっている。何より、ショットの感覚などがすごくいい。優勝争いをしたいですけど、欲張らずにトップ10を目標にします」と控えめに話した。
ちなみに、優勝記念に自身が購入したものはスーツケース。「以前のものは5-6年使いました。新しいものを買おうか、どうしようと考えていた矢先に優勝です。ちょっと高かったけど、奮発して・・・」といい、「実は中型、小型と3種類を使っている。この前に購入したのは大型。でも、小型のキャリーケースの片方の車輪が壊れた。今度は同じブランドの小型を」と漏らした。
口にはしなかったが、優勝記念のごほうびに違いない。9.6パーセントの仲間入りを果たすため、覚悟はできている。
(青木 政司)
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