2023.7.28
鈴木愛が新しいスタイルを模索しながら首位へ浮上
<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第21戦『楽天スーパーレディース』(賞金総額1億円/優勝賞金1,800万円)大会第2日が7月28日、兵庫県加東市・東急グランドオークゴルフクラブ(6,636ヤード/パー72)で行われた。前日に続いて伸ばし合いとなったこの日、通算11アンダーで首位に並んだのは鈴木愛と宮澤美咲。1打差の通算10アンダー、3位タイに吉田優利、桑木志帆、そして8連続バーディーのJLPGAツアータイ記録をマークした小祝さくらが並んだ。
(天候:晴れ 気温:33.9℃ 風速:1.6m/s)
《グリーン=スティンプ:10 1/4フィート コンパクション:23mm》
6月の宮里藍 サントリーレディスオープンで新型コロナの陽性反応が出た鈴木愛。その後、思うように体調が回復せず、3試合の欠場となった。ようやく本調子になってきたのは前週の大東建託・いい部屋ネットレディスを迎える直前だったという。ただ、休んでいた間に体力トレーニングをしていたことで何とか4日間(3ラウンド)を戦い抜いくことができたものの、ゴルフ勘が戻らず、46位タイに終わる。それでも今週に入ってから感覚が戻りつつある。
「ショット、パッティングともにすごく安定していますし、試合からしばらく遠ざかっていたことを考えると上出来かなと思います」と、67をマークした第1日のラウンド後に語っていたが、この日はさらに上をいく66でホールアウト。通算11アンダーまでスコアを伸ばして4位タイから首位へ浮上した。当然のように、この日も「ショット、パッティングともにいいフィーリングでラウンドできています」と納得のゴルフだ。
もっとも、ツアーでも1、2を争う練習の虫であり、自分のゴルフへの評価が厳しい鈴木だけに、100パーセント満足しているわけではない。ここ最近のラウンド数が少なかったこと、37℃近い猛暑の中でのラウンドとしての評価だ。ただ、過去2度の賞金女王に輝き、JLPGAツアー通算17勝を挙げている鈴木も29歳。体力の消耗をなるべく抑えつつ、より良い結果を出すことはしっかりと考えている。
1カ月前から1日3時間のトレーニングを週4回行うようになったのもそのためだ。主に太モモ周り、臀部、肩周りを鍛えているが、早くもその効果が現れている。「ドライバーの飛距離が平均250ヤードぐらいまで伸びていますが、スイングのブレは前より少なくなってきていると思います」。ショットの精度も上がっているため、練習時間を短くすることにもつながっている。効果の大きさを実感するからこそ、今週も月曜日に3時間のトレーニングを行ったが、トーナメント出場週も欠かすつもりはないと言う。
<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>
また、暑い中での練習時間を少なくするために、ショットやパッティングの問題はラウンド中に解決するように心がけている。「前週もラウンド中にパッティングでの改善点を3つほど閃きました」と振り返る。その改善点とは、インパクトで体の軸が右に傾いていた点、グリップを左右均等もしくは右手で強く握っていた点、フェースを被せて構えていた点だ。今大会ではそれぞれのポイントに気をつけてパッティングした結果、第1日が26パット、第2日が25パットにまとめることができた。
21年の資生堂 レディスオープンを最後にJLPGAツアー優勝から遠ざかっている鈴木。円熟した30代を迎えるためにも、新たな試みを成功させたい気持ちは強い。まずは今大会でしっかりとイメージどおりの結果を残すつもりだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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