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2023.8.4

1センチでゲキ変 小祝さくら-64で首位

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第22戦『北海道 meiji カップ』(賞金総額9000万円、優勝賞金1620万円)が8月4日、北海道北広島市・札幌国際カントリークラブ 島松コース(6593ヤード/パー72)で開幕した。大会第1日、地元でさらに上昇をアピールしたのは小祝さくら。8アンダーで北海道2連勝へ向け、首位スタートを切った。2打差の6アンダー、2位は鈴木愛。5アンダー、3位タイで仁井優花、大出瑞月、葭葉ルミ、リハナ、吉田優利が続いている。
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《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:23mm》

 即断即決。涼しい表情で小祝さくらがバーディーを積み上げた。圧巻のシーンを連発したことに、「ちょっと見て、パッと打つ。迷いが出てくる前に。時間をかけると、どうしても迷いが出るでしょう」と説明する。

 「1Wの第1打がちょっと曲がっていた。でも、運が味方をしてくれたようです。本当にありがたい」と心を込めて、コースへ感謝を表した。10番の第1打は、左の林方向へ。しかし、「林の方でカサカサという音がしたけど、キックがとてもいい。傾斜もあって、ボールがフェアウェイへ出てきた」という。

 この日、最大のピンチは15番。残り134ヤードの第2打でグリーンをとらえることができず、ボールが右ラフへ飛び込む。ちょっと嫌なムードが漂ったものの、残り10ヤードの第3打でチップインバーディーを決めた。集中力を高めて放った会心のワンショット。続く16番も122ヤードの第2打を、48度でピン2メートルへつけ連続バーディー奪取にギャラリーがわいた。大混戦の展開だったが、アドバンテージを握り、2位へ2打差をつける首位スタート。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 前3戦、優勝→2位タイ→4位タイと毎試合、V争いを展開中だ。ところが、意外な言葉を口にした。「成績は確かにいいです。でも、調子がいいのかと聞かれると、微妙です。前週はトータル17アンダーでも、プレーしている私は5アンダーぐらいの気分でした。とにかく、しっくりこない。きのうもそんな感じでしたけど-」と前置きし、一変の秘密を明かした。

 「アイアンショットの当たりが薄い。クラブフェースの下に当たっていた。ひっかけ気味です。その状況を修正するため、けさハイボールを打つイメージで当たりを分厚くしたら、良くなった。きょうは、しっかりそのポイントを意識しプレー。まだ、不安があるし、これから練習して再修正します」と話した。取材対応を終えると、一目散に練習場へ。

 「北海道2連勝を考えるのは、まだ早いです。あすはまた、新たなにスタート。一からの気持ちでプレーします」とほほ笑んだ。ちなみに、どのぐらい修正するのだろう。親指と人差し指で示したのは、1センチほど。クラブを操る技術は、実にデリケートだ。一方で、札幌国際カントリークラブ島松コースは、中学1年の時に初めてプレー。「昔のことは覚えていないけど、スコアは100を切るか、切れなかったのかなぁ。そんなスコアかも」と、他人事のように語っている。

 そんな少女がプロになってノーボギーの64をマークした。これはもう、才能はもちろんだが、努力の賜物といっていい。

(青木 政司)

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