2023.8.10
“振れば飛ぶ” 300ヤードドライブで復活間近を印象付けた原英莉花
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第23戦『NEC軽井沢72ゴルフトーナメント』(賞金総額1億円/優勝賞金1800万円)が8月11日、長野県軽井沢町・軽井沢72ゴルフ北コース(6702ヤード/パー72)で開幕する。10日はプロアマ大会が行われた。
腰痛の手術を終え、前週の北海道meijiカップで3カ月ぶりのツアー復帰を果たした原英莉花。フルに3日間戦ったことで多少の疲労が残っているかと思いきや、プロアマ大会を終えても元気さをアピールしていた。「多少の疲労は残っていましたが、眠ったらよくなりましたし、今週は万全な状態で初日に臨めます」と、気合が入る。
予選通過したとはいえ、前週の56位タイには納得していないが、試合に出たことで得た収穫はいくつかあった。1つがドライバーショットの現状を把握できたこと。「先週はボールがつかまらず、スライス気味の打球が多かったんです。アドレスで重心の位置を下げたんですが、まだ背筋と太ももの力が足りないことも影響していたのかも」と分析する。飛距離的にも手術前と比べて落ちていたという。ショットに限らないが、練習では上手く打てても試合になるとその通りに打てる保証はない。いろんな要素が絡むからだが、試合に出なければ気づけない部分だった。
そのことを踏まえ、この大会を迎える前にトレーニングをしっかりと行い、体幹を鍛えると同時に、クラブを振る力もアップした。「振ることの怖さもありましたし、振れていないという自覚も無かったんですよね。それで、フルショットを体に覚え込ませるために毎日フルスイングの素振りを行いました」。少しずつでも飛距離が戻ればいいなと思いながら練習していたが、効果は早くも表れた。この日、飛距離を計測していたホールでドライバーをマン振りすると300ヤードを記録したのだ。コースが高地にあるので飛距離的には通常よりも出るとはいえ、振れば飛ぶという自分らしさを確認できたのは大きい。当然、ボールもしっかりつかまっていたからこその飛距離であり、スライスが出る不安も解消されたことが証明された。
「ただ、アイアンやウェッジの飛距離も伸びてしまうので、距離感を合わせるのが難しいんですけどね」。原にとっては、ゴルフ勘をどこまで取り戻せるかが今週のキーポイントになりそうだ。
手術前は浮かない表情を見せることが多かった原。「自信がなかったし、納得できるまで練習できなかったことも大きかったですね」とその理由を語る。しかし、手術をしたことで自信を持ってプレーできるようになり、持ち前の強気なゴルフができるんじゃないかと思えるようになった。あとは結果でそれを証明するだけだが、「たとえ飛距離が落ちていても、今ある技術で戦いに来ているんだと思ってますし、強い気持ちでミスを怖がらずにプレーできればいいなと思います」と、前を向く。ケガの功名ではないが、腰痛を乗り越えたことで、以前より考え方にもメンタル的にも成長を感じさせる原。予想以上に早く結果を出せるかもしれない。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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