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2023.8.11

菅沼菜々、足の負傷にめげず、首位と2打差の3位タイ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)第1日

 どの選手も大会前からバーディー合戦を予想していたが、菅沼菜々もその一人。前半のハーフでは順調にスコアを5つ伸ばし、そのまま行くかと思いきや、後半は16番・パー5でのバーディー1個に終わった。もっとスコアを伸ばせるチャンスだっただけに、ホールアウト後は険しい表情かと思いきや、予想を覆すような笑顔を浮かべていた。

 「実は水曜日の朝、寝ぼけていてホテルの部屋にある段差に左足の小指をぶつけてしまったんです。内出血が出てかなり腫れちゃって・・・」。それでも痛みをこらえてコースに到着。練習場で数発打ったものの、激痛が走ったことで練習を中止。そのまま帰宅して患部を冷やした。翌日になっても痛みと腫れが引かなかったことで、プロアマ戦を欠場。第1日の朝を迎えても痛みがあったので本戦の欠場も考えたが、スイングに支障がないと判断して出場に至った。

 左足の小指といえば、ダウンスイングからインパクト、フォロースルーにかけて体重が乗ってくるだけに、本来なら負担がかなりかかってくる。不幸中の幸いだったのは、指に対して横の力には耐えられたことだ。さらに、開催コースはそれほどアップダウンが無かったことも幸いした。仮に左足下がりのライがあったなら耐えられなかったかもしれない。ただ、歩く時はどうしても痛みが走った。「私の場合せっかちなので、いつもはめっちゃ速く歩くんですけど、今日はゆっくり歩くように心がけました」。ちなみに、ゆっくりと歩いたことが好スコアに結びついたことは一切ないと言う。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2週前の楽天スーパーレディースでは熱中症となり、その影響で3日間寝込んでいた菅沼。あらかじめ前週の北海道meijiカップは欠場する予定だったが、木曜日までクラブを握ることができなかった。そんな状況で今回の負傷が加わり、一気に練習量が減ったにもかかわらず、苦手とする第1日に6アンダーをマーク。いくらもっと伸ばせたはずでも、不機嫌になる理由などない。ホールアウト後に笑顔を見せたのも当然だろう。

 もちろん、好スコアをマークした理由はある。まずはグリーンの読みが冴えていたこと。「打つ前から入りそうだなという感覚もけっこうあったし、その通りに入ってくれました」。元々ストロークが悪くないだけに、ラインを正確に読めたことは大きな武器となった。

 さらに、自分のスイングが今回の芝に合っていたのも大きい。北海道以外のゴルフ場ではフェアウェイには野芝やコウライ芝が使用されるが、今回はベント芝が採用されている。広場恐怖症に苦しんでいるため、飛行機での移動が難しい菅沼は北海道の試合に出場することができない。他の選手よりもベント芝に慣れていないはずだが、強く否定する。「ジュニア時代は年に1回軽井沢で試合がありましたし、フェードヒッターの私の場合、クラブヘッドをボールの上から打ち込むのでベント芝のほうが適しているんです」。確かに昨年の今大会でも最終日に64をマークして8位タイに入っている。次週から2週連続でJLPGAツアーは北海道開催となるため、また2試合休まざるを得ない菅沼。その分のポイントを今週上乗せするためにも、明日から2日間、どこまでバーディー数を増やせるかが勝負となる。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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