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2023.8.12

菅沼菜々、初の首位で迎える最終日は目の前の1打に集中

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第23戦『NEC軽井沢72ゴルフトーナメント』(賞金総額1億円/優勝賞金1,800万円)大会第2日が8月12日、長野県軽井沢町・軽井沢72ゴルフ北コース(6,702ヤード/パー72)で行われた。この日もスコアの伸ばし合いとなった中、通算13アンダーで単独首位に躍り出たのが菅沼菜々。3打差の通算10アンダー、2位タイにコースレコードとなる61をマークした神谷そらと前日首位にいた小祝さくら。さらに1打遅れて通算9アンダーの4位にペソンウがつけている。
(天候:晴れ 気温:26.3℃ 風速:2.4m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:22mm》

 前日は左足小指の負傷にも屈せず、痛みをこらえながら66の好スコアをマークした菅沼菜々。ホールアウト後は練習をせず、ホテルで患部に氷を当てて回復に努めた。その甲斐あって、この日は痛みがかなり減少。「少しだけかばっていたところはありましたが、ほとんど気にせずにプレーできました」と、笑顔を見せた。その言葉どおり、9番・パー5では会心のドライバーショットで飛距離を稼ぐと、7番ウッドで2オンに成功。ピン手前5メートルに乗せ、見守っていたギャラリーから大歓声を受けた。惜しくもイーグルパットは外したものの、きっちりと返しのバーディーパットを沈めた。この時点で通算9アンダーにまでスコアを伸ばし、首位に躍り出る。

 最終的にスコアを通算13アンダーまで伸ばし、2位以下に3打差をつける単独首位でフィニッシュ。まさにバーディー合戦を順調に勝ち抜いている状態だ。18年にプロ転向した後、20ー21年シーズンに初シードを獲得。以来、何度も優勝争いに絡みながら、あと一歩及ばずに涙を飲んできた菅沼。聞けば、最終日を首位で迎えるのは今回が初めてだと言う。悲願であるツアー初優勝に向けてこれ以上ないチャンスとなるが、菅沼自身はあえて優勝したいということばを避けた。

 「やっぱりこれまでは気負う部分があったと思うので、今回は第1日から順位を気にせず、楽しもうと心がけてきました。優勝が全てではありませんし、明日も同じように順位を気にせず楽しくやりたいですね」。もちろん、この言葉を額面どおりに受け取るわけにはいかない。あくまでもリラックスした状態で最終日をプレーしたいために出た言葉に過ぎず、本音ではしっかりと優勝を狙っている。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 その証拠に最終18番・パー4で2メートルのパーパットを残したが、いつも以上に慎重にラインを読み、ストロークしていた。「あのパーパットを沈めたのが今日一番嬉しかったですね」。最終日もバーディー合戦が予想されるだけに、1打でも多くリードしておきたい気持ちの表れだ。昨年は最終日に64をマークして8位に入っているが、そのことでさえ心の拠り所にはならないと言い切る。「3打差なんてないようなものですからね。目の前の1打1打に集中するだけです」。バーディー合戦の場合、スコアを伸ばすチャンスを逃した時点で優勝争いから脱落することが多いだけに、最終日は相当なプレッシャーが菅沼を襲うはず。それを知っているからこそ、気を抜くつもりは一切ない。

 唯一気になるのは、本来フェード打ちの菅沼なのに、逆球となるドローボールが出続けたことだろう。「寝れば直るかなと思います」とおどけたものの、どこまで修正できるかがカギを握ることになる。昨年は同じ埼玉栄高校の後輩である岩井千怜がツアー初優勝を飾った今大会。同じ大会で先輩の意地を見せることができるか要注目だ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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