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2023.8.18

海外帰りの西郷真央が取り戻した強さ コースレコードと自己ベストを更新

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第24戦『CAT Ladies 2023』(賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円)が8月18日、神奈川県箱根町・大箱根カントリークラブ(6,638ヤード/パー72)で開幕。西郷真央は昨年、山下美夢有が樹立したトーナメントコースレコードを1打更新する63をマークし、9アンダーで首位発進。2打差の7アンダー、2位に大里桃子が続き、3打差の6アンダー、3位タイには比嘉真美子、櫻井心那ら5人が並んだ。山下は5アンダーで8位、昨年優勝の岩井千怜は4アンダーで9位タイにつけた。
(天候:晴れ 気温:30.8℃ 風速:2.3m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/4フィート コンパクション:22.5mm》

 西郷真央が見違えるような強さを纏って戻ってきた。米国、フランス、英国で計4試合をこなし、JLPGAツアー参戦は6月の宮里藍 サントリーレディス以来2か月ぶり。その第1日に、9バーディー、ノーボギーでトーナメントコースレコードを叩き出してみせた。「びっくりしています。63は自分のベストスコアでもあります。久しぶりに更新できてうれしいです」と少し戸惑い気味に微笑んだ。

 と言うのも、海外参戦前の今季JLPGAツアーでは、11試合に出場して予選落ち4度、棄権1度。メルセデス・ランキング76位の不振にあえいでいた。昨年、初優勝を含めて5勝を挙げ、同ランキング2位の座を射止めたショットの精度は影をひそめていた。

 それでも実直に自分の課題と向き合い、コツコツと修正に努めてきた。「ショットに関してはだいぶ以前から、かなり良くなっていました。左風でティーショットを打つ時、思ったような体の動きができないことが課題でしたが、前週克服することができました」と笑顔で明かし、「今は、グリーンを外した時のアプローチを重点的に練習しています」と説明した。

 前週の全英女子オープンでの経験も糧になっている。「日本にいると、アプローチのほとんど全てをサンドウェッジでやってしまうことが多いのですが、向こうでは地面が硬くてうまく打てない時、番手を上げて転がすランニングアプローチを多く使いました」と振り返り、「これからは日本でも、簡単にサンドウェッジを持つのではなく、積極的に新しい引き出しを使っていきたい」と向上心の高さを垣間見せた。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 この日、重点的に練習しているアプローチが威力を発揮したのが、最終18番・パー5だった。2オンを狙った第2打はグリーン左に外したが、48度のウェッジで転がし、カップ横10センチにピタリ。楽々バーディーを奪取した。「以前なら、サンドウェッジで上から落とすくらいしか選択肢がなく、うまくいってもピン奥3メートルくらいが精一杯でした。新しい引き出しが増え、いろいろな可能性が出せるようになったのは、すごくいい傾向だと思います」と自身の進化を実感している。

 同じ自己ベスト更新でも、不振を乗り越え、引き出しを増やした上での今回は、格別に味わい深い。西郷は「今日は昨年調子が良かった時ほど欲張らず、冷静にプレーできたと思います。こういうゴルフを継続できるように、目の前の課題に取り組んでいきたいです」と落ち着いた表情でうなずいた。

 残りのシーズンはJLPGAツアーに専念する予定。巻き返す時間はまだまだ残されているが、大風呂敷を広げるようなことはしない。「ランキングは意識せず、目の前の課題にしっかり取り組んでいきたいです」と同じ言葉を繰り返した。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)

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