2023.9.7
ピンチはチャンスを実践 稲見萌寧・首位スタート
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)第1日
ピンチはチャンス。稲見萌寧が今季第3戦以来、第1ラウンド首位の好スタートを切った。本領発揮は後半。美しいスイングがよみがえる。しかも、力強さが加わった。悩み続けたスイング改造が完成に近づいている。「手首を柔らかく使っている。スピードアップできたことが一番、いいところだと感じる」と表情は明るい。
圧巻はパー3・5番からの3連続バーディー奪取。7Iでピン手前10センチ-とあわやホールインワンのシーンを演出する。続く6番は残り109ヤードの第2打を、PWでピン奥1メートルへ。7番はパッティングに冴えを見せる。ピン左手前4メートルから、鮮やかにバーディーを決めた。
6バーディー、1ボギーの内容を喜び、そして驚いたのはプレーした本人。「練習ラウンド、プロアマ大会で各9ホールをプレーしただけ。どうやって、やったら・・・。そんな感触でしかも、けさの練習場ではとても風が強い。アンダーパーでプレーできる気配など少しもなかった」。本音を吐露する。
加えて、コンビを組むはずのキャディーがこの日、体調不良で急きょ、交代するハプニングまで。トレーナーの真栄城輝也さんがつとめることになった。「私は元々、(風の計算、ラインの読みなどを)自分で行う。もう、バッグを担いでいただけるだけでありがたい。キャディーは初体験だというし、最初はちょっと心細かった。でも、前半の数ホールを終えると、初めてとは思えないぐらいです」と、息の合ったコンビへと大変身である。
また、「よけいなプレッシャーをかけないように」という心配りも。一方で、同組の小祝さくら、菅沼菜々へも感謝を語った。「(ホールアウトすると)全員、スコアがいい。スコアが出るんだなぁと思った」。
会場には今大会、歴代優勝者の写真がズラリと並んでいる。「この大会には限らず、すべての試合で(優勝写真を)増やしたい。毎日、上位。優勝争いしたいなぁ」と言葉が弾んだ。まさに、努力は足し算。ゴルフは引き算だ。
(青木 政司)
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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