2023.9.8
『普通』でいられる強さ 小祝さくらが首位浮上
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン公式競技・第2戦『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円、優勝賞金3,600万円)大会第2日が9月8日、長崎県長崎市・パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(6,755ヤード/パー72)で行われた。この日も大熱戦。小祝さくらが通算9アンダーで首位に立った。1打差の8アンダー、2位は西郷真央。通算6アンダー、3位タイで神谷そら、稲見萌寧、山下美夢有が続いている。
(天候:晴れ 気温:30.4℃ 風速:4.2m/s)
《グリーン=スティンプ:9 2/3フィート コンパクション:20mm》
タフネスに加え、素晴らしい順応性。小祝さくらが5バーディー、ノーボギーの67をマークし、通算9アンダーで首位に立った。
「グリーンが速すぎて、スゴすぎて・・・。本当に難しかった。でも、最後は何とか帳尻を合わせた感じですね」。フーッと大きなため息が漏れる。これだけで一日を物語っているようだ。だから、公式競技の重みが増す。
第2日、ノーボギーはわずかに2人。グリーン上ではひたすら忍耐と、観察眼の勝負だった。最終18番。残り95ヤードの第2打をピンから、2.5メートルへ運んだ。そして、見事なまでのバーディー。決勝ラウンドで1打のアドバンテージを得た。
「17番はわかっていても2、3メートルはカップをオーバーしてしまう。特に下りは要注意。本当にシビアです」という。これまでの経験が当てはまらないほどの状況に直面した。
では、どんな対策を立てたのだろうか。「よくわからなかったけど、(下りはカップまでの)半分の距離をストロークすることを目安にした。あとは、もう感覚です」が、グリーン攻略のポイントだった。
ただし、残り2日間に、ここまで得た感覚が適応できるか。少し首をひねりながら、「あすは、どうなるかわかりません。きのうときょうでこんなに違う。もっと風が吹いたらツルツルになってくる」と、予測不可能であることを強調した。
この日、バーディー奪取のシーン以上に、目に焼き付いたのは2番。5メートルのパーセーブに通常とは違った気迫が表れていた。そうはいっても、「メジャーだからなど、そんな意識はまったくありません。いつも通り、です」と内面を言葉にしたが、さらなる上昇のために、「いつも1ラウンドに1回ぐらい、大きなミスがある。そのへんを注意してプレーしたい」と、さらに自身を戒める。
そして、自己評価を質問されると、「普通です」。これこそが、できそうでできないことだ。大舞台で普通を貫くことが最も難しい。疲れているにもかかわらず、取材終了後には自ら、「サインを-」と、クラブハウス前へ移動。ギャラリーへのファンサービスを買って出たところも、人柄がうかがえる-ちょっといいシーンだった。
(青木 政司)
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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