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2023.9.17

酒井美紀 JLPGAツアー復帰へ向けステップ初優勝

<Photo:Masterpress/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2023シーズン第14戦『山陽新聞レディースカップ』(賞金総額3000万円、優勝賞金540万円)大会最終日が9月17日、岡山県玉野市・東児が丘マリンヒルズゴルフクラブ(6334ヤード/パー72)で行われ、酒井美紀が逆転V。大接戦を制した。トーナメントレコードタイの通算15アンダーでステップ初優勝。1打差の通算14アンダー、2位は石川明日香が入り、3位は通算13アンダーの小林夢果だった。
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 10アンダーの首位タイに3人、1打差の9アンダーに2人が並ぶ大混戦でスタートした最終日、酒井美紀がいきなり3連続バーディーを奪い、首位に躍り出る。1番パー4が4メートル、2番パー5、3番パー3が3メートルと、入れごろ外しごろの距離を沈めて勢いをつけた。

 「今週は本気で優勝を狙いに行こうと決めていました。練習ラウンドのときに15アンダーまで伸ばせば勝てるという計算でした」。15アンダーといえば、昨年の優勝者である櫻井心那がマークしたトーナメントレコードだ。3日間大会なので、1日5アンダーの計算になる。酒井は2日目を終えて9アンダー、スコア的にはほぼ予定通りだったが、混戦となっていただけに、目標を16アンダーに変更。最終日は7アンダーを叩き出すつもりでプレーしていた。

 しかし、理想的なスタートを切ったものの、4番からは思うようにスコアを伸ばせない。10番パー4でようやく4つ目のバーディーを奪ったが、14番パー4では痛恨の3パットでボギー。「でも本当にイラついたのは次の15番パー5の3打目で、この日初めてグリーンを外したときです。ショットの調子がよく、こんなに大きなグリーンなのにどうして外したんだと」。チャンスホールでバーディーを奪えず、この時点で首位とは1打差の2位タイグループに順位を落とす。今までだったら、そのまま優勝戦線から離れていったかもしれない。第三者の視点で自分のプレーを見るクセがあり、今回は私の週じゃないんだと一歩引いてしまうところがあったからだ。しかし、この日の酒井は違った。「上がり3ホール、バーディーしかないな」と、超やる気モードのスイッチを入れたのだ。


<Photo:Masterpress/Getty Images>

 酒井といえば、JLPGAツアーでもフェアウェイキープ率やパーセーブ率では常に上位をキープしていたショットメーカーだが、ステップアップツアーでもそのスタイルは変わらない。16番パー4では160ヤードを17番パー3では165ヤードをどちらも6番ユーティリティのコントロールショットで3メートルにつけ、バーディーを奪い、ついに首位にいた石川明日香をとらえる。続く18番パー5では2オンも狙えたが、あえて2打目を刻み、ピンまで残り70ヤードを残す。バーディーパットを最も打ちやすいのはピン上だと知っていたので、そこにボールを落としやすいルートを選択した結果だ。56度のウェッジで打った3打目は狙いどおりピン左上2メートルに止まる。軽いスライスラインをしっかりと沈め、当初の目標だった通算15アンダーでフィニッシュし、単独首位で後続の石川を待つ。プレーオフを覚悟していたが、2オンに成功した石川が3パットのパーで終わったため、酒井にステップアップツアー初優勝が舞い降りた。

 「優勝したいとは思っていましたが、実現するとは思っていなかったので、嬉しさ半分と本当に勝てたんだという安心感が半分です」。

 結果的にプラス思考が酒井を支えたわけだが、そうなった理由は2つある。1つが前週の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯の3日目に櫻井と同組で回り、スケールの大きなゴルフと楽しそうに回っている姿を見たこと。もう一つは応援する音楽グループの“超特急”が東京ドームでのコンサートを目標にしていることを知ったことだ。どちらも酒井をもう一度JLPGAツアーに戻りたいという前向きな気持ちにさせたという。そのためにも、残り試合で優勝回数を上乗せし、現在3位の賞金ランキングを2位以内に上げるつもりだ。


<Photo:Masterpress/Getty Images>

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