2023.9.23
ウーチャイェン、今季3勝目で早くも獲得賞金2000万円超え
<Photo:Shintaro Wada/Getty Images>
JLPGAステップ・アップ・ツアー2023シーズン第15戦『2023 中国新聞ちゅーピーレディースカップ』(賞金総額2000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が9月23日、広島県廿日市市・芸南カントリークラブ(6590ヤード/パー72)で行われ、ルーキーのウーチャイェンが逆転優勝を飾った。66をマークし通算10アンダー、ステップ・アップ・ツアー通算3勝目。ステップ年間獲得賞金も2000万円を突破した。2打差の通算8アンダー、2位タイに井上りこ、石川怜奈。
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賞金女王レースを独走する意地とプライド、そして強さをウーチャイェンが見せた。スタート前は「優勝よりも自分のゴルフをすることだけ考えていた」というウー。首位と4打差の14位タイからのスタートだっただけに、それも納得だ。しかし、前半のハーフで4つのバーディーを奪い、通算8アンダーまでスコアを伸ばす。上位の選手がスコアを伸ばし切れなかったこともあり、この時点で首位にいた石川怜奈をとらえる。当然、トップに立てば話は変わる。
「ハーフターンでスコアボードを見たら、自分がトップにいたので優勝を意識しました」。10番パー4で5メートルのバーディーパットを沈めて単独首位に立つと、13番パー4でも8メートルのバーディーパットを沈める。第2打を二段グリーンの下につけたが、難しいラインをしっかりと読み切り、ついに通算10アンダーに。14番ホール以降はバーディーを奪えなかったが、石川が12番パー4で痛恨のダブルボギーを叩いたこともあり、2位以下に2打差をつけての単独首位でホールアウト。緊張の中、クラブハウスリーダーとして1時間以上も待ったが、そのまま逃げ切り、自身初の逆転優勝でステップアップツアー通算3勝目を挙げた。これで今季の獲得賞金は2120万8750円となり、昨年の女王・櫻井心那が同時期に獲得した賞金1679万2100円を上回る。残り8試合中何試合出るか未定だが、目標である来季のJLPGAツアー出場権を得られる賞金ランキング2位以内は十分狙える位置だ。
ウーの強さはパーオン率1位(76・4620パーセント)の数字が示すように、正確なショットにある。「ピンが左にあるときは、あえて右を狙うようにしています」と、通常は安全策を基本とするが、ここ一番ではピンをしっかり狙うという。また、この日は風が強かったこともあり、スコアメイクに苦しんだ選手は多かったが、風が強い台湾で生まれ育ったウーは、アゲンストでもしっかりローボールを多用して対応するなど、上手さも持ち合わせている。
<Photo:Shintaro Wada/Getty Images>
さらに、身長155センチと小柄ながらも、最近はドライバーの飛距離も伸びてきているという。最終日は10番ホールにロングディスタンス賞が懸けられていたが、271・8ヤードをマークしたウーが獲得している。もちろん、課題もある。ステップアップツアーでは無双状態に近いが、JLPGAツアーでは6試合に出場して、一桁順位は一度もない。「ショットは対応できますが、パッティングが課題ですね。もっと自信を持ってストロークできるようにしたいです」と原因を分析する。
今週開催されるJLPGAツアーのミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン終了時に第2回リランキングが行われるが、現時点では31位につけているウー。7、8試合には出場できる可能性が高いだけに、一桁順位の壁を破りたいところだ。同学年には、櫻井のほか、川﨑春花、神谷そら、尾関彩美悠らJLPGAツアーでの優勝を飾っている選手が揃う。「本当に強い世代だと思いますし、彼女たちに追いつくことが今の目標です」。レジェンドである涂阿玉を師匠に持つウーが、どこまでJLPGAツアーでステップアップしていくのか要注目だ。
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