2023.9.30
菊地絵理香、魔の9番をパーで回避して逆転Vに望みつなぐ
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
日本女子オープンゴルフ選手権 芦原ゴルフクラブ 海コース(福井県)第3日
序盤から順調に同組の原英莉花がスコアを伸ばす中、8番ホールまで1バーディー、1ボギーのパープレーで耐えるゴルフを演じていた菊地絵理香。気がつけば3打リードの貯金はなく、通算10アンダーで原と首位タイを並走していた。そんな状況で迎えたのが、菊地にとって相性が決してよくない9番・パー4だ。第1日はダブルボギーを叩き、第2日はバーディーを奪ったが、それは左に曲げたティショットが木に当たって林に入らなかったこと、10メートルのバーディーパットを沈めたからであり、決して征服したわけではなかった。
この日はティーショットをフェアウェイど真ん中に打ちながら、ボールとグリーンの間には第1日同様またしても一本松が立ちふさがる。木の上を越えるにはボールと一本松との距離が短いので、枝の下を通す作戦をとることに決めた菊地。大勢のギャラリーが注目する中、入念に素振りを繰り返した後、ゆっくりとアドレスに入り、クラブを振り下ろす。すると、狙いどおりボールは低く打ち出されたものの、トップ気味に飛んで行ったため、グリーンをオーバーして奥のラフにつかまる。それでもなんとか2メートルに寄せてパーでしのいだ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「今日は上って下りのパットが残るピン位置が多かったので、私には難しかったです。パーパットも結構嫌な感じのラインが多かったですね」と振り返る菊地。確かにこの日はスタートから苦しいパーパットが残った。1番・パー5では1.5メートル、4番・パー4、8番・パー4では1メートル、9番で2メートル、10番・パー4で4メートル、17番・パー3では1.5メートル。それをことごとく沈めたからこそ、パープレーの72で回り、首位の原と1打差の通算10アンダーでホールアウトできたともいえる。
ただ、前日は大会レコードタイの64をマークしただけに、満足感は一切ない。「ティーショットが昨日よりもよくなかったことが大きいですね。もう少しフェアウェイに置くことができればもっと楽にできたかなと思います」と、スコアを伸ばせず、微妙なパーパットを残した要因を分析した。
それでも首位と1打差で最終日を迎えるのは大きい。「このコースはピンの位置でボギーも出ますし、フェアウェイをキープできればバーディーチャンスに乗せることもできます」と前を向く。最終日はティーショット次第になりそうだが、悲願である公式競技初制覇へ向けて「最後まで集中力を保ちたいです」と誓っていた。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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