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2023.10.13

稲見萌寧、首位タイ発進の陰にエースパターあり

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第32戦『富士通レディース2023』(賞金総額1億円/優勝賞金1,800万円)が10月13日、千葉県千葉市・東急セブンハンドレッドクラブ西コース(6,697ヤード/パー72)で開幕した。終盤戦を迎え、どの選手もラストスパートをかけているせいか、第1日から混戦模様。6アンダーで稲見萌寧、岩井千怜、阿部未悠、イミニョンの4人が首位に立った。1打差の5アンダー、5位タイには福田真未、川﨑春花、神谷そらがつけている。
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《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:22mm》

 19年1勝、20年1勝、21年8勝、22年2勝と4年連続でツアー優勝を飾っている稲見萌寧。当然、その連続記録を5年に伸ばすだろうと思われた今シーズン、残り7試合の段階で未勝利と苦しんでいる。開幕戦のダイキンオーキッドレディスでは2位タイ、第3戦のTポイント×ENEOSでは3位タイへ入ったが、その後は一度もトップ3に入っていない。スイング改造など、より高いステージへ自分を持っていくために試行錯誤してきたことがその要因だ。

 ただ、その試行錯誤も仕上げの段階に入っていることは間違いない。ニチレイレディスから14試合連続で予選通過しているだけでなく、8月末のニトリレディス以来、出場した6試合で大会期間中に必ず1日はトップ10でラウンドを終えているのだ。最終的にトップ10から落ちてしまった試合は多いが、その理由はショットよりもパッティングにあった。そこで今回、用意したのが稲見の好調時を支えていたエースパター。ピンタイプのヘッドにネック部分が三角形になっているトラスパターだ。

 さらに、ストロークも改造したという。「今まではヘッドを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すイメージでストロークしていましたが、フェースを開閉するストロークに変えました」。これまでのストロークだとミスをしたときに目標の左へボールを打ち出すことが多かった。それを修正するためにテークバックでヘッドをインサイドに引き、インパクトでフェース面をスクエアに戻したら、フォロースルーではインサイドに振り抜くストロークに変更。その結果、「狙った方向へボールを打ちだせるようになった」という。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 確かに、この日の稲見はパッティングが好調で、7バーディー(1ボギー)を奪っている。圧巻だったのは6番・パー4。カップまで19メートルあるロングパットを見事に沈めた。「出だしはフックでスライスしてフックしてスライスというラインでした。結局、真っ直ぐ狙って打ちましたが、まぐれっぽい感じでしたが入りました」と笑顔を見せる。もちろん、タッチを合わせたからこそカップインしたのであり、決してまぐれとは言い切れないだろう。

 「今日は結構パッティングがしっかり決まってくれたので、そこがスコアに大きくつながったんだと思います」。今季は1ラウンド当たりの平均パット数が29.6154(44位)と苦しんでいたが、この日は27パットにまとめた稲見。パターとストロークの原点回帰が好調なパッティングを呼び戻したといえる。

 首位タイ発進は今季3度目だが、安心感はない。「第1日はいいスタートを切れるようになってきましたが、そこからもう1ランク上げていかないと。ちゃんとピンを狙い続けてスコアを出せるように頑張ります」。5年連続優勝へ向け、残り2日間も積極的にバーディーをねらっていくつもりだ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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