2023.10.18
佐藤心結、予選通過を気にせず上位を目指す
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
NOBUTA GROUP マスターズGC レディース マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)
強い選手はサンデーバックナインで好スコアをマークするというが、昨年の今大会では、佐藤心結が最終日のインコースで6バーディー、ノーボギーの30をマーク。優勝した川﨑春花との差を一気に縮めた。最終的にわずか1打及ばず、2位タイに終わったが好印象は残っている。
「すごくいいプレーができたと思いますし、今年もそういうプレーを目指して上位で争えるように頑張ります」と、リベンジに燃える。そのための攻略ポイントとして挙げたのが、417ヤードある5番・パー4のように距離の長いホールだという。「ラフに入れると場所によってはボールが埋まってしまい、打つのが難しくなるのでフェアウェイキープを心がけます」。ティーショットの精度がスコアを左右しそうだ。
今季は30試合に出場し、予選通過が18試合の佐藤。比較的予選落ちは多いと思われるが、「予選を通りたいっていう意識がちょっと強すぎたのかも」と振り返る。実際、決勝ラウンドの平均スコアは70.8671(13位)なのに、予選ラウンドの平均スコアは72.3118(59位)とあまり良くはない。「今週は予選通過を気にすることなく、トップ10とか上位に入ることを目標にして戦いたいですね」と、メンタルの強さが試される。
それでも、直近8試合では一度も予選落ちがない。「前半は本当に上手くいきませんでしたが、(距離計測器の)トラックマンを購入してから、距離感をつかめるようになったのが大きいですね」。これまではどこかアバウトだった距離感が明確な数字となって表示されることで、ショットの精度を上げることに成功した。しかも、距離だけでなく、クラブの軌道やインパクト時のフェース角度など様々なデータも入手できるメリットも幸いする。「自分ではこうやって振っていたつもりでも、真逆のボールが出るときってあります。それをデータで見ると、納得できるんです」。要は、右に曲げるつもりでクラブを振っているのに、実際は左に曲がる軌道でクラブを振っていたことを数字が証明してくれるのだ。その分、ショットを修正しやすくなり、スコアにも結びついた。
昨年は同期の川﨑や尾関彩美悠がツアーで優勝を飾り、今季は櫻井心那が4勝、神谷そらが2勝を挙げた。竹田麗央も優勝こそないものの、メルセデス・ランキングで21位と虎視眈々と初優勝を狙っている。もちろん、佐藤も彼女たちに後れをとるつもりはない。「残り試合は少なくなってきましたが、今は最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコー杯に出場できるようにするためにも優勝争いができるように頑張ります」。現在メルセデス・ランキング35位にいるだけに、同大会へのチャンスは十分あるが、確実なものにしたいところだ。そのためにも、まずは相性のいい今大会で上位を狙う。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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