2023.10.20
慎重な作戦が功を奏した山下美夢有が3位タイ
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
NOBUTA GROUP マスターズGC レディース マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)第2日
6月第3週のニチレイレディスで今季4勝目を挙げて以来、優勝から遠ざかっている山下美夢有。そのせいで調子を落としているように思われがちだが、同大会以降の10試合中6試合でトップ10に入っている。にもかかわらず、不調のイメージがあるのは、それだけ山下に力がついてきた証拠だろう。実際、昨年と今年だけでツアー9勝を挙げている。
前週の富士通レディースでは天候不良のため、最終日が中止となり、5位タイに終わった山下。逆襲が空回りに終わった分、今週はしっかりと優勝争いに食い込むつもりだ。「関西での試合は最後になりますからね。楽しんで頑張りたいです」と大会前から燃えていた。
ところが、第1日の16番・パー4でまさかの4パットもあり、ダブルボギーを叩いたことで2アンダーの17位タイ発進に終わる。その嫌な雰囲気をこの日は自ら振り払った。前半のインコースで3バーディーを奪い、33でターンすると、5バーディー、1ボギーの32でまとめる。パット数は前半が14、後半は10の計24パットと、確実にカップの中へボールを沈めていった。ちなみに、前日4パットを喫した16番では7メートルのバーディーパットを決めて、リベンジに成功している。
「パッティングの打ち方で意識したことはありませんが、下りのパッティングには気をつけました。下りも横からのラインも速いので、なるべく上りのパッティングが残るマネジメントを心がけた感じです」。下りはタッチを合わせ、上りは積極的にカップを狙う作戦が好スコアにつながった。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
今大会は出場3度目だが、過去2回はいずれも予選落ちだった山下。ようやく予選を通過できたことでホッとした気持ちは強い。「昨年はこの大会までの成績がよかったこともあり、欲をかいてピンを狙っていました。グリーンを外すと難しいアプローチが残るので、スコアを崩したと思います」。その反省を生かし、これまでの2日間はピンをデッドに狙わず、グリーンのセンター狙いに終始した山下。「このコースは全ホールで油断できないので、1ホール1ホールをどのように攻めていくかしっかり考えたいです」と、好スコアをマークしても慎重な姿勢は崩さない。
大阪出身の山下にとって、関西で行われるトーナメントは自然と応援も多くなる。過去2年間で経験した悔しさを一気に晴らして見せる。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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