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2023.10.26

大接近・大混戦 申ジエ-ライバルに感謝

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第34戦『樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が10月27日、埼玉県飯能市・武蔵丘ゴルフコース(6,650ヤード/パー72)で開幕する。26日は指定練習日。各選手が最終調整を行った。

 さぁ、これからが面白い。今大会を含め、残り5戦。年間女王争いは風雲急を告げている。メルセデス・ランキングは現在、申ジエが1位。2位の山下美夢有との差は、20.82ポイントだ。近年にないデッドヒート、見逃す手はない。

 この日、申ジエは10番後方のパッティンググリーンで最終調整。「きのうがプロアマトーナメント。通常とは違うパターンです。変化があって、とてもいい。私は好きですよ」とうれしそうに語り始めた。選手でにぎわう、クラブハウス前の練習グリーンではなく、あえて静かなグリーンを選択。

 そういえば、過去に出場した際にも、こちらで調整していたことを思い出した。「傾斜があります。それから静かでしょう。集中力が増す。今、新しいパターと従来のものと、どちらがいいか試している。メーカーさんが私のためにつくってくれたものです。ベストのパフォーマンスをすることが恩返しでしょう」。距離感を把握するため、何度もカップまでの10メートル以上の距離をストロークする。

 「とてもグリーンがきれい。とても速い。パッティングとグリーンまわりがポイントになるでしょう。優勝へのカギになる」と解説した。韓国でツアー出場、自身のジュニア大会などで3週ぶりのJLPGAツアー復帰である。その間、メルセデス・ポイント1位は変わりがなかったものの、2位・山下が猛追。「いい(タイトル)レースができる。山下さんだけではなく、選手みんなが毎試合、頑張っている。この緊張感がたまらなく好きです。もちろん、私も最後までベストをつくして、タイトルをとりたい」といい、「きっと今年は、最終戦までファンの皆さんが楽しんでくださるでしょう」と、他人事のように話している。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 今季、開幕前、ひとつの大きな決意を固めた。「違うスタイルがあることを私自身が実践して、成功させる」。昨年、シーズン中に不安のあった両ひじを手術した。痛みはすっかり去ったものの、連戦は厳しい。

 ということで、「本音は全試合へ出場したい。でも、今年、出場試合を絞って、しっかり体のメンテナンスをしながら、ベストの姿を皆さんに披露する。もう、私も20歳ではありません。若い頃、がむしゃらに走って頂点を目指した。だけど、いつも孤独で楽しいと感じたことは一度もない。今、一緒に戦っている日本の選手へ私ができることは、今までとは違ったスタイルを残すことです。ベテランと呼ばれる年齢になっても、ここまでできる。そんな姿を見て、将来の参考にしてくださればうれしい。その気持ちで今年は開幕から戦ってきた」。はるか彼方に視線を投げながら語っている。

 さらには、現実味を帯びてきた24年パリオリンピックへも、意気込みを。「来年、JLPGAツアーはもちろんだけど、USLPGAツアーへ出場が増えるかもしれない。私にとって、パリオリンピックはラストチャンスになるかも…。すでに過去、優勝した大会などで推薦をくださる-そんな話が出ています」。もっか、ワールドランキング15位で、韓国勢では3番手につけている。

 うれしい悩みが続々と出てきた。選択肢は多ければ、パワーの源となる。今大会は2年ぶり9回目の出場。16年に優勝を飾っている。もちろん、相性の良さを実感。「クラブハウスでいただく、朝食がとてもおいしい。最終日まで、しっかり体力を蓄えなくてはいけませんね。私にはたくさんのライバルがいます。実にありがたい。ライバルがいれば、成長はとまりませんよ」と、大きくうなずいた。

(青木 政司)

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