2023.10.28
鈴木愛が首位浮上『私を信じます』
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2023シーズン第34戦『樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第2日が10月28日、埼玉県飯能市・武蔵丘ゴルフコース(6,650ヤード/パー72)で行われた。この日、首位へ浮上したのは鈴木愛。通算9アンダー、今季2勝目を視界にとらえた。2打差の通算7アンダー、2位タイは山下美夢有、原英莉花、川岸史果。メルセデス・ランキング首位の申ジエは通算5オーバー、よもやの予選落ちを喫した。
(天候:晴れ 気温:18.6℃ 風速:3.6m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/4フィート コンパクション:24mm》
最終日を前に2ストロークのアドバンテージを得た。やはり、武蔵丘ゴルフコースとの相性は抜群。この日は7バーディー、2ボギーの内容だが、「ベストプレー」にあげたのは14番の第3打だった。
わずか、15ヤード。ところが、グリーン奥から技量が試される試練である。「これ以上はないというデリケートなアプローチが必要な状況。2クッションで少しでもピンへボールを近づけ、パーセーブができたらいい」と説明した後、「イメージ通りのプレーができた。でも、次を考えると喜んでばかりはいられない。パーパットは1.5メートルでしたけど、ラインはすごく難しい下りのスライス。きっちりとカップインさせることができました」。胸をなでおろすシーンだった。
ピンチの後にチャンス。続く15、16番で連続バーディーを奪い、混戦から抜け出した形である。「トップでいることはやはりいい。私は追い上げるよりも、逃げ切りタイプかもしれませんね。だから、有利です。コースはすぐにボギー、ダブルボギーを叩くほど危険が潜んでいる。少しでも前に行きたいから、(2位タイと)2打差はとても大きい。決して、油断をしているわけではありません。だけど、(優勝した)19年大会と同じようなイメージです」とも話した。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
そうはいっても、ショットが前日ほど好調だったわけではない。こんな舞台裏があったことを明かしている。「スタートかホールから出球が左へ…。感覚が合わないから、すごく気持ちが悪かった」そうだ。というのは、「朝の練習場で左の打席から、右方向へドローボールを打ちながら調整しようと考えていたけど、混雑していてあいていない。仕方がなかった。いつもはやらないことだけど、きょうはそれが必要でした。ちょっとしたことだけど、私にとってはとても大切なこと。その影響が少なからずあったからでしょう」と説明した。
それほど、ゴルフはデリケートな競技。「あすは左から右方向へのアングルで絶対、練習をしてからスタートする」と誓っている。ただし、不安を抱えながらのムービングデーでも首位に立ったことは大きいはずだ。
「ほんのちょっと、他の選手よりいいプレーがしたいだけです。私を信じます」のひとことが、耳にいつまでも残った。紫外線アレルギーで苦しんだ夏場を過ぎ、ようやく気力充実の秋である。
(青木 政司)
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