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2023.11.9

米ツアー挑戦を宣言 稲見萌寧『人生のひとつかなぁ』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第36戦『第39回伊藤園レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が11月10日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,741ヤード/パー72)で開幕。9日はプロアマ大会、公式会見が行われた。

 秋晴れ。気持ちの良い一日。稲見萌寧が人生の一大決断を宣言した。「(TOTOジャパンクラシック優勝で)私自身が勝ち取った権利です。私はずっとJLPGAツアーで-と考えていた」と前置きし、「将来、引退した時に米ツアーで戦った。それも、人生のひとつかなぁと思います」と、胸を張って挑戦を言葉にする。

 迷いはない。この日は実にすっきりした表情である。「決断した大きなきっかけはトレーナーさん、キャディーさんが快くサポートします、といってくれたこと。私は腰痛の持病があり、長距離移動などはちょっと不安。でも、チームが日本と変わらず一生懸命にサポートしてくれる。本当にありがたいと思います。となれば、もう全力でやるしかありません。ただ、現時点でいったいどうなるか・・・。まだ、想像がつかない。新しい人生のスタートですから、いろいろ行いながら目標を立てます」といい、「ただし、これまで何度もお話していたように、私の大目標、永久シード獲得はあきらめていない。そちらは一時保留にしておきます」と加えた。

 この4日間は激動の日々。USLPGAメンバーになることの締め切りは、日本時間14日朝に迫っていた。まさに、ターニングポイント。しかし、プロフェッショナルとしてのルーティンは少しも変化がなかった。

 「優勝した後も、ストレッチをしながら体幹トレーニングを行った。まったく、いつもと変わりはない。翌朝のトレーニングに備えました。練習もいつも通りです」。当然といった様子で、サラリと答えている。

 手続きだけをすませておけば、来年のことを考えるのは、今シーズンが終わってからでもいい。残りは3試合である。1年3カ月ぶりの優勝を飾り、確かにホッと胸をなでおろしたことも事実だろう。しかし、試合はまだ続く。「複数回優勝を目指してやるだけです」といった口ぶりは、実にクール。ましてや、今大会は21年に優勝した相性の良さもある。

 「きのう、きょうといい状態ではありません。疲れはもちろんあるでしょう。ただ、毎週、毎日、ずっと調子がいいわけではありません。試合中、好調をキープするため微調整というか、最善の努力をします。21年はスコアが出た。だけど、コースは難しい。ショットの調子が良くなければスコアは出せません。特に終盤の16、17、18番がキーポイントです」と冷静に現状を伝えた。

 今大会、米ツアー挑戦を決意したことで、いやが上にも注目が集まるだろう。収穫の秋をかみしめていた。素晴らしき人生。

(青木 政司)

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