2024.3.16
2週連続Vを目指す鈴木愛 2つのテーマで大奮起
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第3戦『Vポイント×ENEOS ゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第2日が3月16日、鹿児島県姶良市・鹿児島高牧カントリークラブ(6,456ヤード/パー72)で行われた。前日に続いて戦況は大混戦。通算7アンダーで竹田麗央、小祝さくら、鈴木愛が首位へ浮上した。この3人は何と前週の最終日、最終組と同じペアリング。記録に残る2002年以降、2週連続で同一人による最終日、最終組の組み合わせは初めてとなった。1打差の通算6アンダー、4位タイは柏原明日架、ウーチャイェン、尾関彩美悠。
(天候:晴れ 気温:18.4℃ 風速:2.7m/s)
《グリーン=スティンプ:10 1/2フィート コンパクション:25mm》
防衛VS再挑戦。2週連続優勝へ向けて、首位へ浮上した鈴木愛は、「前週に結果が良くて、翌週に負けたら大したことはない-と思われるのがイヤです」とあえて、自身を鼓舞するかのように、強気の意気込みをスパッと話した。
一方で、この日は「内容を説明するほどではなかった」と振り返るほど、調子がいまひとつ。バーディーチャンスを演出できない。それでも忍耐力で切り抜け、数少ないチャンスをものにした。
という状況でも、スーパープレーを随所に展開。パー5・1番の2オンや、5番の第2打はギャラリーの度肝を抜いた。「あえていうなら、5番のアプローチは良かったと思います。残り129ヤード。ピンの左へ行くと、グリーンからボールが転げ落ちる難しい状況でした。つま先上がりだったし、9Iでカット目のショットで勝負。これはうまく打てたと思います。ピン手前、1.5メートルへ寄せることができました」と、頷く。「60台のスコアをマークできた。悪いなりに良かったところです」と続けた。
実は今季、自身へ課した2つのテーマがある。ひとつは「(30歳を迎える)5月の誕生日までに、通算20勝を達成」。ふたつ目が、「全米女子オープン出場」だ。特に全米女子オープン出場は約2年前から挑戦を明言。
「アマチュアの時、いつかは全米女子オープンでプレーする。それが私の夢でした。それが叶ったのは15年。最終予選を通過して、最終順位は32位タイでしたけど、第3日まで12位タイと上位争いができた。いい思い出、悪い思い出もあるけど、ある意味、私が真のプロフェッショナルのスタートになった試合でした」と、遠くを見るようにひと息ついた。
そして、「あの試合前から、トレーニングを始めたんです。暑さに加えて、コースがとてもタフ。そんなことは日本で直面したことがなかった。だから、とにかく強い体が必要だという結論です。思い立ったその日から、ランニングや筋力トレーニングを行った。それまで、試合前はストレッチだけで臨んだけど、ピッツバーグのランカスターカントリークラブが私を変えてくれたんです。だから、あの試合が終わった直後、強くなってもう一度、挑戦すると誓いました」とボルテージが上がる。
現在の世界ランキングは71位。とりあえず、出場資格を得る75位以内をキープしているが、次週からUSLPGAツアーが再開する。とても安心できる順位とはいえない。自身が定めたデッドラインは、「(次戦の)アクサレディスまでに65位以内」だった。それだけに今回も、優勝を飾らなければならない。
負けず嫌いの闘志をよりかきたて、いざ勝負。大一番に燃えている。
(青木 政司)
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