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2024.4.6

永嶋花音がプロ初V 大混戦を制す

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン開幕戦『YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament』(賞金総額3,000万円、優勝賞金540万円)大会最終日が行われ、プロ3年目の永嶋花音がプロ初優勝を飾った。勝負は通算4アンダーで並んだ髙野愛姫とのプレーオフへ。1H目で永嶋が追撃を振り切り、混戦にピリオドを打った。1打差の通算3アンダーはこの日のベストスコア66をマークしたイナリ、髙久みなみ、菅楓華。
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 勝負はパッティングで決まる。プロ初優勝を飾った永嶋花音は、驚くほど冷静沈着だった。大混戦の展開はプレーオフへ持ち込まれる。人生初のPOでも、常にアドバンテージを握り、2オンに成功。対する髙野愛姫はバンカーに苦しみ、5オンだった。意外なぐらい、あっさりとしたエピローグである。

 序盤は快調にスコアを上積みした。しかし、後半へ入ると一転。ショットの精度がいまひとつで11、12番、連続ボギーを叩き、一進一退の流れが続いた。この時、自身が何位にいるのか、まったくわからない。この日は、よけいな負担をかけないために、ノールック作戦をとったからだ。

 しかし、作戦を変更。「15番でリーダーボードを見た。パー5の16番は絶対、バーディーをとらなくてはいけない。前2日間はレイアップしたけど、きょうは思い切っていった。そして、残り73ヤードの第3打が本当にいいショット。あわやイーグルと思うような感じです。狙い通りのバーディーをとることができた」と、キーポイントを説明している。

 ただし、楽な勝利などない。18番の第1打がバンカーへ飛び込む。現状を観察しながら、フーッと大きく息を吸い込み、吐き出した。脳へ酸素がいきわたると、冷静なマネジメントが浮かんだ。

 「最初、U6を選択しようと思った。でも、バンカーのあごにボールが当たりそうな気がして、次は8Iかなぁ、と考え直したけど結局はPWできっちりとリカバリーできればいい」とジャッジ。残り99ヤードの第3打に賭ける。ところが、グリーンをとらえたものの、8メートルのパーセーブが残った。

 状況は厳しい。高野はひと組前でバーディーフィニッシュ。「カップまで距離があったけど、ラインがいい。しかも今大会では何度もパッティングに助けられたし、50%ぐらいの確率で入る。いいイメージが浮かんできた」そうだ。冷静にアドレスへ入り、的確なストロークでピンチを脱出。こうなると、次はチャンスが訪れるのが勝負のセオリーだろう。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 プレーオフを戦う表情には余裕までうかがえた。「こんなに楽しくプレーできたのは、プロになって初めて」と前置きし、「この2年間、コテンパンにやられてきました。だから、昨晩はコーチや知人などに相談。特にコーチからは、戦いたくても、プロテストで失敗してしまう人がたくさんいる。その人たちはきっと、私が代わりに戦いたいと思っているはず。だから、試合へ出場できることに感謝しなければバチが当たるよ、といわれ、確かにその通りだなぁと気が晴れた。きょうは、すべてのプレーを感謝しながらやりました。オフから、フェードボールに変更したことも良かったと思います」と続けている。

 勢いに乗って、次週はKKT杯バンテリンレディスオープンへ出場予定。絶好の腕試しとなる。

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