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2024.4.13

裏街道から一気 鈴木、竹田がV争い参戦

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

KKT杯バンテリンレディスオープン 熊本空港カントリークラブ(熊本県)第2日

 ムーディングデーの極意。鈴木愛竹田麗央が一気に来た。ところが、両選手ともにまったく笑顔なし。最終日を見据えているからだろう。

 第1日、ちょっと出遅れて、この日は10番スタートの第1組だった。いうところの裏街道。今季、好調をキープしているだけに、きっとプライドが許さなかったに違いない。ただし、随所にトップの技を披露。これは最終組に引けをとらないほど、見応えがあった。

 「内容はたいしたことがなかったです。ショットの精度がきのうからいまひとつ。距離感がいまひとつで、パッティングまで決まらなくなったから・・・」と、何度も何度も鈴木は首をひねっていたことが印象的である。

 そうはいっても、パー5・18番の第3打が忘れられない。第2打が右方向へ。スコアボードが障害物となって、スイングができない。救済を受け、ピンまで35ヤードから仕切り直しを。

 「あの時は絶体絶命。どう考えてもグリーンへ止まりそうにない。度胸を決め、58度でロブショットする一択でしたよ」と振り返った。では、どうなったか、といえば、フワリと上がったボールがピンに当たって、1メートルのチャンスへ変わったのだ。むろん、バーディーである。

 「大きく流れが変わったと思います。ハーフターンのインターバルがあったけど、いい感じが漂ってきた」という。後半のスタート1番は第2打でもグリーンをとらえることができない。グリーン手前からピンまで15ヤード残った。「春先で芝が生えそろっていない。通常は58度ですけど、ちょっとピーンときた。PWへ変更。チップインです。私には経験がある。どうすればいいかを、その場で対応しました」と前置きし、「流れがきているときは、こんなことがあるから、ゴルフは不思議なスポーツなんですよ」と説明している。

 それが、極め付きともいえる4番からの3連続バーディーへつながったのだ。「とりあえず、予選通過ができてよかった。あすはアウトから、ソコソコのスタート順でしょう。ちょっとショットで切り返しのタイミングが一定していないから、修正して最終日も60台のスコアを-」。ひとつ、大きくうなずいたのは、気合が入った証だ。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 一方、竹田も地元ギャラリーの大声援を受けながら、グングン順位をアップ。さすが、小学1年生からプレーしているホームコースだけのことはある。自身がアマチュア時にマークした大会レコードには1打及ばなかったが、堂々とV争いに加わった。「(大会コースレコード更新は)頭にありました」と話したものの、それは最終日へのお楽しみだ。

 上昇のポイントは、マイナス5ヤード。「第1日は第2打の距離感が合っていなかった。とても飛距離が出ていたし、チャンスがなかなかつくれない。去年より特にグリーンがカタく、なかなかピンデッドに攻めては行けない」との反省が、前記した-5の鉄則となったのだ。

 また、叔母の平瀬真由美は今大会のテレビ解説を担当する御前試合。18番の2オン成功を称賛されたとうれしそうに語っている。ピン奥7メートルから2パットで慎重にバーディー。後半の快進撃へつなげた。「最終日も(解説は)気にせずにいきます」。さらりとひとことで片づけてしまったが、最終日を残しているだけに喜ぶのは、あすでも遅くはない。

 また、ホールアウト後にはジュニアレッスン会へ参加。「私も古閑美保さんから小学1年生の時、指導を受けました。きょうはお子さんたちから、いつも見ている、と激励を受けたし、改めていいプレーをしなくては-と自覚した」とも姿勢を正した。

 さらに14日は熊本地震の前震から8年。「8年前、ちょうど、その時間はKKT杯へボランティア参加するため、準備の真っ最中・・・。中学1年でした」と言葉を選びながら、大一番へ備える。

(青木 政司)


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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