2024.4.27
20歳の都玲華が7年ぶりのアマチュア優勝を飾る
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第3戦『大王海運レディスオープン』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が4月27日、愛媛県松山市、エリエールゴルフクラブ松山(6,540ヤード/パー72)で行われ、通算16アンダーで都玲華がステップ・アップ・ツアー史上6人目となるアマチュア優勝を達成。1打差の通算15アンダー、2位にルーキーの稲垣那奈子が入った。
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最終18番パー4で約1メートルのウイニングパットを決めた後、グリーンを取り囲んだギャラリーからの拍手に対し、軽い会釈で応えた都玲華。ステップ・アップ・ツアーにおいて、17年静ヒルズレディース森ビルカップを制した平塚新夢以来、史上6人目となるアマチュア優勝という偉業を達成した割には、控えめな喜び方だった。ただ、内心は大喜びだったという。
2位に2打差をつけての単独首位でスタートした最終日、1番パー4でいきなりボギーを叩く。嫌な流れに焦りはあったが、すぐに気持ちを切り替えた。「もうこれ以上落とすわけにはいかないと、自分に喝を入れました」。プロを相手に勝ち切るためには、強い気持ちが必要となる。今大会では初日からアイアンショットの調子がよく、ティーショットで大きな失敗さえしなければスコアを伸ばせる自信もあった。
実際、2番から8番まではスコアを3つ伸ばし、単独首位をキープする。ところが、9番パー5で3打目のアプローチに失敗。グリーン手前のバンカーに入れたことで痛恨のボギーを叩く。通算12アンダーで首位には立っていたが、前日5位タイだった稲垣那奈子に並ばれただけに、9番のボギーが尾を引きそうになった。ところが、10番のティーイングエリアでちょっとした天気のイタズラが都を救う。
「自分の番になった瞬間に霧が急に出てきて、20分ぐらい待たされたんです。その間に気持ちを切り替えることができました」。そのホールはパーに終わり、2組前を行く稲垣に逆転されたが、次の11番からなんと3連続バーディー奪い、稲垣を再度逆転。再び単独首位に立った。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
「前半はスコアボードを見ていましたが、途中からは目の前の1打に集中し、上がってみたら自分が一番上だったという感じです」。
最終的に通算16アンダーとした都が1打差で稲垣を振り切り、逃げ切りに成功。「こんなに大きな大会で勝ったのは初めてですし、すごい自信になりました。今年受験するプロテストを含めて、今後のゴルフ人生に向けて大きな経験をできたと思います」。3年前に挑戦した最初のプロテストでは腰椎を疲労骨折していたこともあり、途中棄権。その影響で昨年までは思うようなゴルフをできなかった。ようやく体調も良くなり、さらには自分のコースマネジメントを見直した結果、今大会ではパーオン率が87.03パーセントで1位となり、優勝の原動力となった。
「わりとピンをデッドに攻めたいタイプなんですけど、今回はその欲を抑えてプレーできたことは大きいと思います」。いろんな意味で成長した実感を得た今大会だが、優勝したことで、最終プロテストからの受験となり、余裕を持ったスケジュールを組むことができる。04年2月生まれなので、今季売り出し中の竹田麗央や川﨑春花、神谷そら、櫻井心那、尾関彩美悠らと同学年になる。「この優勝で少しは話しかけられるようになったかな」と、笑顔を見せたが、まずは、プロテストに合格し、1日でも早く同じ土俵で戦うつもりだ。
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