2024.4.27
初Vへ前進 佐久間朱莉・90戦目の誓い
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第9戦『パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会第2日が4月27日、千葉県市原市・浜野ゴルフクラブ(6,669ヤード/パー72)で行われた。この日も1打が命運を分ける大混戦。通算13アンダーへスコアを伸ばした佐久間朱莉、尾関彩美悠、天本ハルカが首位に立った。2打差の通算11アンダー、4位タイから逆転を狙うのは岩井千怜、鶴岡果恋、全美貞、木戸愛。史上初の初Vから3週連続優勝を目指す竹田麗央は通算9アンダー、14位タイからチャンスをうかがう。
また、青木瀬令奈が8番でホールインワンを達成。最多連続週のJLPGA記録を6週へ更新した。
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《グリーン=スティンプ:10 2/3フィート コンパクション:23.5mm》
Go-10とはいかなかったものの、佐久間朱莉がトーナメントコースレコード、自己ベストと並ぶ63をマーク。首位タイで最終日を迎える。この日のスタート前、コンビを組むキャディーの福井良太さんから、「(バーディーを)10個とっていこう」という声が飛んだ。すなわち、昨日、蛭田みな美がマークした記録を、さらに塗り替えることを意味するものだった。
もちろん、調子がいいからだろう。事実、序盤からショット、パッティングともに好調でパー5・9番では残り202ヤードの第2打をU4で、ピンから10メートルへ。何とイーグルを決めたのである。これで、覚醒したかのように、後半はバーディーを量産。16、17番の連続バーディーで9アンダーを上積みした。
迎えた最終18番。気合満々の姿をティーイングエリアで披露。しかし、打球は右方向へ飛んでいく。「気持ちが入りすぎた…。残り15ヤードの第2打では、クラブが強く入ってしまって。もう、何が何でもパーをとるしかない」と最大のピンチを迎えた。
だが、5メートルの下りという難しいパッティングながら、きっちりとパーセーブ。このあたりが、強くなった精神力を裏付けるワンシーンと、見て取れた。3週前の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンでは大接戦の末、2位。悔し涙を流した。その翌日、指導を受けるジャンボ尾崎の元へ。「勝てなかったです、とごあいさつすると、いや、よくやった-と励ましてくださった」。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
一方で、そのジャンボ邸ではそのシーンを目撃した他のプロから、「(ジャンボさんも)優勝より2位をたくさん経験している」とエールを送られ、改めて、JLPGAツアー初優勝へ向け、さらなる精進を誓ったそうだ。その上で、「竹田(麗央)さんも、何度も何度も最終日、最終組を経験して優勝を勝ち取っている。それを考えれば私はまだ、その回数が少ない」と謙虚に受け止めた。
今大会は、通算90戦目。最終日、最終組は4回目だ。なるほど、前週は14位タイながら、第1日に76と不調だったにもかかわらず、残り2日間は66→68をマーク。躍進の時が来た印象を受ける。初優勝への質問を受け、「きょうの18番、私はひいひい言いながらパーですからね。アプローチがまだまだ…」と控えめにいい、「早い段階でバーディーをとって、離されないようについていきます」と結んだ。
ツアー初Vへもっとも近い、といわれている。いよいよXデーが迫ってきた。
(青木 政司)
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