2024.6.8
内田ことこ、初の優勝争いはマイペースで臨む
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第15戦『宮里藍サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億5000万円/優勝賞金2700万円)大会第3日が6月8日、兵庫県神戸市・六甲国際ゴルフ倶楽部(6526ヤード/パー72)で行われた。上位陣が伸び悩む中、通算8アンダーの首位に浮上したのが内田ことこ。1打差の通算7アンダー、2位タイに大里桃子と高橋彩華。通算6アンダーの4位タイに岩井明愛、神谷そら、吉本ひかるの3人。
(天候:晴れ時々曇り 気温:25.7℃ 風速:5.3m/s)
《グリーン=スティンプ:13フィート コンパクション:24.5mm》
前日のラウンド終了後、バーディーラッシュを迎えるためには、フェアウェイキープが必要と語っていた内田ことこ。第3ラウンドは14ホール中5ホールでしかフェアウェイをキープできなかったにもかかわらず、5つのバーディーを奪って見せた。しかも、そのうち4つは1メートルにピタリと寄せたもので、残りの1つも3メートルにつけている。ラフからでもピンに寄せたアイアンショットがこの日69をマークした要因だ。
今年の10月で22歳を迎えるが、同世代には岩井明愛、千怜、佐久間朱莉、桑木志帆らがいる。すでに岩井姉妹は2人でツアー10勝を挙げているが、佐久間や桑木は優勝まであと一歩のところで涙を流してきた。昨年の資生堂レディスオープンでもプレーオフで敗れた桑木が号泣していたが、試合後に慰めていたのが内田だった。その内田が自身初の最終日最終組でのラウンドでツアー初優勝に挑戦する。
「初めてなのでどんな雰囲気なのか分からないんですよね。自分のゴルフをできればいいかなって思います」。緊張感があるのかないのかその表情からは読み取れないが、ツアープロになった以上、今年の目標は当然のように「優勝です」と答える。昨年のメルセデス・ランキングで45位となり、今季は初シード選手として戦ってきた内田。最高位はブリヂストンレディスでの23位タイで、現在のメルセデス・ランキングは74位と思うようなゴルフをできていない。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「練習場では出ないようなミスが試合で出るのが原因です」と分析するが、それを解消する方法は見出していないという。それでも、必死に球を打つことでなんとか調子を上げようとしてきた。練習量の多さは他の選手に負けない気持ちも強いのだろう。今大会はアプローチとパッティングも好調だと語るが、それも練習量を増やしたことがきっかけになったとのこと。ある意味、調子を戻すにはどのような練習をするべきかを知っている選手だといえる。
この日のラウンド後も、ドライビングレンジでいきなりドライバーを打ち始めた内田。ラウンド中、左右に大きくブレたショットを修正するのが目的だからだ。やるべきことはしっかりやる。まさに“人事を尽くして天命を待つ”の心境だろう。2打差の4位タイには明愛、3打差の7位タイには千怜という同世代の先頭を走る岩井姉妹がいる。しかし、今回だけはトップの座を明け渡すつもりはない。
(山西 英希)
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