2024.6.16
若林舞衣子、1打差逃げ切りでステップ初V
<Photo:Masterpress/Getty Images>
JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第7戦『ユピテル・静岡新聞 SBS レディース』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が6月16日、静岡県御前崎市、静岡カントリー浜岡コース(6,504ヤード/パー72)で行われ、JLPGAツアー4勝の若林舞衣子が通算5アンダーでステップ初優勝を飾った。1打差の通算4アンダー、2位は岩橋里衣。2打差の通算3アンダー、3位タイにルーキーの河村来未、下川めぐみ、辻梨恵、石川明日香が入った。
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大会第2日は67をマークし、22位タイから一気に首位に躍り出た若林舞衣子。逃げる立場に変わった最終日は、後続に一度も追い抜かれることなく、18ホールを駆け抜けた。
「6番ホールでダブルボギーを叩いた時は、さすがに逆転されたかなと思いましたが、最後まで首位の座を譲らずにプレーできたことは良かったと思います」。ただ、首位を守ろうという意識は一切なかった。この日のコースコンディションは、前日の雨の影響もあり、グリーンが軟らかくなっていた。ボールが止まりやすくなった分、下位の選手は積極的にピンを狙ってくると予想した。
「誰でもビッグスコアを出せるチャンスがある状況ですし、とにかく自分は最後まで攻めのゴルフをすることだけに集中してプレーしました」。前半の3、5番ホールでバーディーを奪ったのも攻めの姿勢で臨んだからだ。後半のハーフはパッティングが思うように決まらなかったこともあり、バーディーを1つしか奪えなかったものの、それでもボギーを叩かなかったことで後続に隙を与えなかった。
ステップ・アップ・ツアーで初優勝を飾った若林だが、JLPGAツアーでも21年のGMOレディースサマンサタバサが最後となっていたので、3年ぶりの美酒となる。その間、子育てに追われながらも効率よく練習を続けていたが、特に効果的だったのが、師匠である岡本綾子のスイング動画を見ることだった。
「岡本さんからも指摘されていましたが、スイングリズムとテンポが今イチなのが私の欠点なんです。それを学ぶために岡本さんのスイングを徹底的に見ました」。スイングリズムとテンポを意識した結果、いつもなら力んでしまうところでも、リラックスして打つことができたという。
<Photo:Masterpress/Getty Images>
若林が動画から学んだ選手はもう一人いた。「タイガー・ウッズです。練習風景の動画ですが、見ていると、ショットでもアプローチでも球筋をイメージしながら打っているんですよね。同じアプローチでも高く上げたり、スピンをかけたりしていました」。どちらかといえば、球筋のイメージを出すのが苦手な若林だが、最近の練習ではなるべくイメージを出してからボールを打つようにしていた。それが今大会でも生きた。
開催コースの静岡カントリー浜岡コースは戦略性が高く、ティーショットの落とし場所を間違えると、第2打でグリーンを狙えないことも少なくない。この日も木の枝がじゃまになり、低い球を打たなければいけない場面も何度かあったが、しっかりと低い球のイメージを頭に描いてからアドレスに入ったことで、ピンチを切り抜けることができた。
一時はゴルフをプレーすることが辛かった時期もあったという若林。しかし、今回の優勝で集中力を切らさず、自分のやるべきことを貫けたことは大きな自信になる。
「今年はステップ・アップ・ツアーに集中しますが、近いうちにJLPGAツアーに戻りたいです」。1週間前に36歳になったばかりのママさんゴルファーだが、勝負師としての闘志は燃え盛るばかりだ。
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