2024.6.24
小祝さくら、複数回V達成で次の目標は公式競技初V
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額3億円/優勝賞金5400万円)大会最終日が6月24日、千葉県袖ケ浦市・カメリアヒルズ・カントリークラブ(6688ヤード/パー72)で行われた。6打差でスタートした小祝さくらが通算16アンダーで今季2勝目、ツアー通算11勝目を飾る。3打差の通算13アンダー、2位に安田祐香、通算11アンダー、3位に高橋彩華。
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《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:23~24mm》
前日のラウンドを終えた後、2位に6打差をつけながらも小祝さくらは慎重な姿勢を崩さなかった。「どんなにリードしていても、ゴルフは最後まで分からないところがあるスポーツですからね。集中力を切らさずに頑張ります」。ゴルフの好調さから崩れる心配はないように見えたが、潜在意識の中で何か不安を感じていたのかもしれない。
開催コースはラフを長く伸ばしていただけに、ティーショットを曲げてしまうとピンの近くに寄せるどころか、グリーンをとらえるのも難しくなる。小祝自身も「ティーショットが鍵を握ると思います」と語っていた。ところが、最終日は1番でフェアウェイをとらえたものの、2番以降はティーショットが左右に曲がり始める。
「スタート前の練習場では曲がる要素がなかったんですが…」。ノンプレッシャーの練習場と実際のコースとでは、やはり状況が異なるのだろう。途中フォロースルーやテークバックの位置を確認することで、方向性を取り戻したホールもいくつかあったが、全体的には安定しなかった。
そんな小祝を支えたのが、ショートゲームだ。圧巻だったのは4番パー3の第2打。グリーン左のラフからのアプローチで、ピンまでの距離は約13ヤード。極端な左足下がりで、グリーンは砲台になっており、グリーンエッジからピンまでは4ヤードしかなかった。
実は、この前のホールで小祝は第1日の3ホール目以来、51ホールぶりにボギーを叩いていた。「ちょっとまずいな」と思いつつ、4番でティーショットを放ったところ、左へ大きく曲げてしまったのだ。
仮に、アプローチを寄せ切れずに連続ボギーとしたなら、追いかける選手たちに隙を見せることになる。何としてでもパーセーブしたいところで、小祝が判断したのは、クラブフェースを開き、カット目に打つことでボールを上げ、なおかつスピンをかけることだった。低く打ち出して、ワンクッションという選択肢もあったが、ボールが芝に浮いていた幸運を見逃さなかった。
「6ヤード先のカラーにボールを落とせばなんとかなるはず」。そう信じて打ったボールは見事ピンの手前50センチに止まり、パーセーブに成功した。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
また、パー4のティーショットやパー5の第2打を左右のラフに入れることが多かったが、100ヤード以下のときは、フェースを開き、バンカーショットのようにアウトサイドインの軌道でクラブを振ることで高いボールを打ち、グリーンに止めていた。
6打あったリードも一時は2打差まで詰め寄られたが、そんな我慢のゴルフを続けるうちに、チャンスが訪れる。14番パー5で4メートルを沈めてバーディーを奪うと、続く15番パー3では15メートルを沈めて連続バーディーを奪った。最終的にこの日はスコアを1つ縮めて、通算16アンダーでフィニッシュ。2位に3打差をつけての優勝となった。やはり、前日までの6打リードは大きかったといえる。
今回の優勝で今季2つの目標のうち、複数回優勝を達成した小祝。あとは残り3試合ある公式競技での初優勝を目指すだけだ。
(山西 英希)
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